ピアソラのアメリカン・クラーヴェ三部作再発

アストル・ピアソラが1986年〜88年にリリースした、いわゆる「アメリカン・クラーヴェ三部作」がイーストワークスから再発される。
まずは、1987年録音の『ザ・ラフ・ダンサー・アンド・ザ・シクリカル・ナイト』が先行して昨年(2009年)12月25日に発売された。1986年の『タンゴ・ゼロ・アワー』、88年リリースの『ラ・カモーラ』は2月17日発売予定。やはり日本盤が3枚揃って店頭に並ぶのは大変喜ばしい。
アメリカン・クラーヴェはキップ・ハンラハンが率いるレーベルで、本拠地はニューヨーク。キップは上記三部作のプロデュースを行い、ピアソラのスタジオ録音に新たな境地を開いた。三部作の最初の一枚『タンゴ・ゼロ・アワー』のジャケット裏には、ピアソラ自身の以下のコメントが寄せられている。

これは紛れもなく、私がこれまでの生涯で作り得た最高のレコードである。我々はこのレコードに魂を捧げた。

今回の再リリースは、全面的なリマスタリングと「音匠仕様」というディスク技術の組み合わせによって、音質的にも本来の意図を忠実に反映したものになっているようだ。完全な形で確認できたのは、既発売の『ザ・ラフ・ダンサー・…』だけだが、音の違いに鈍感な私の耳でも良さは感じられる。持っていない方はもちろん、旧盤を持っている方にもおすすめ。
なお、月刊ラティーナ2月号にもこの再発に関する記事を書いたので、機会があればご一読いただきたい。また、斎藤充正さんのブログの下記の記事もぜひご一読を。

2009年12月25日発売:

The Rough Dancer And The Cyclical Night(Tango Apasionado)(ASTOR PIAZZOLLA)

2010年2月17日発売予定:

Tango – Zero Hour(Astor Piazzolla アストルピアソラ)


La Camorra(Astor Piazzolla アストルピアソラ)

ちなみに、上記3枚はSACDと通常CDのハイブリッドディスク。さらに「クリスタル・ディスク」という高音質仕様のディスクも発売されるのでご参考まで(ちょっと私には手が出ない…)。

[Posted on 2010-01-23]

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