エル・タンゴ・ビーボはピアノの熊田洋とコントラバスの東谷健司によるデュオです。通常ドラムスを使わないタンゴにおいては、ピアノの左手とコントラバスがリズムの要であり、その二つの楽器で構成されたデュオはまさにタンゴの本質を抽出したものと言えます。
"Volver"は、数年前からカフェやライブハウスなどでコンスタントに活動してきた二人が満を持してリリースしたアルバムです。収められている曲目の何とも渋く、かつ味のあることか。原曲の良さを最大限に活かしたアレンジで、最高にすばらしいタンゴを聴かせてくれます。
なお、このアルバムは彼等が定期的にコンサートを開いている本覚寺というお寺の本堂で録音されました。ピアノの豊かな響き、コントラバスの重量感と生々しさが余すところなく収められています。
自主制作のアルバムのため、タンゴを重点的に扱っているようなレコード店以外では入手が困難と思われます。幸いエル・タンゴ・ビーボのホームページを通じて通信販売で購入できますので、興味のある方はアクセスしてみてください。
[初出:タンゴあれこれ/日本のタンゴ2枚 1999.7.31]
タイトル | VOLVER |
アーティスト | EL TANGO VIVO - エル・タンゴ・ビーボ |
メディア | CD |
録音 | 1998/12/21,28, 1999/1/5 |
リリース | 1999 |
レーベル | (自主制作) |
配給 | (自主制作) |
番号 | なし |
備考 | 入手についてはエル・タンゴ・ビーボのホームページ参照 |
No. | 曲名 | 曲名 (邦) | 作者 |
---|---|---|---|
1 | VOLVER | 帰郷 | C. Gardel |
2 | PABLO | パブロ | J. Martínez [J. Martinez] |
3 | MADAME IVONNE | マダム・イボンヌ | E. Pereyra |
4 | EL POLLO RICARDO | エル・ポージョ・リカルド | L. A. Fernández [L. A. Fernandez] |
5 | A UNA MUJER | ア・ウナ・ムヘール | H. Salgán [H. Salgan] |
6 | EL BAQUEANO | エル・バケアーノ | A. Bardi |
7 | EL FIRULETE | エル・フィルレーテ | M. Mores |
8 | MELODÍA DE ARRABAL [MELODIA DE ARRABAL] | 場末のメロディー | C. Gardel |
9 | PARA LUCIRSE | 輝くばかり | A. Piazzolla |
10 | PEDACITO DE CIELO | 空のひとかけら | E. Stamponi, E. M. Francini |
11 | EL BULÍN DE LA CALLE AYACUCHO [EL BULIN DE LA CALLE AYACUCHO] | アジャクーチョ通りの小部屋 | J. Servidio, L. Servidio |
12 | RACCONTO | ラコント | C. García [C. Garcia] |
13 | PAYADORA | 吟遊詩人 | J. Plaza |
14 | CHICLANA | チクラーナ | J. De Caro |
15 | EL ULTIMO ORGANITO | 最後のオルガニート | A. Troilo |
16 | RECUERDO | 想い出 | O. Pugliese |
17 | GARUA | 氷雨 | A. Troilo |
18 | MALENA | マレーナ | L. Demare |
19 | TOMO Y OBLIGO | 交わす盃 | C. Gardel |
20 | MOTIVO DE VALS | ワルツのモチーフ | H. Salgán [H. Salgan] |