King Crimson (2000.10.16)

データ

曲目

アンコール

所感

ステージ中央にメンバー4人が手を重ね、かけ声とともにその手を挙げる、 という何やら体育会のようなオープニング儀式で始まったコンサート。 その一瞬には何だか苦笑してしまった私であるが…

1曲目のまさに第1音からとにかく圧倒されっぱなしであった。 極めて緻密に練り上げられた一分の隙もないアンサンブル、 混沌へと向かう即興、 容赦ない重さで迫り来る音の塊、 繊細な2本のギターの絡み合いによる冷徹なまでの美しさ、 ほんのひととき顔をのぞかせる叙情的なメロディー、 そして全体を支配する緊張感。 まさに本来の意味でのプログレッシヴ・ロックであったと思う。

中心となった新作 "The ConstruKction of Light" はいずれも素晴らしく、 旧作では "Red" が壮絶。 一方、1980年代の曲は、ドラム、ベースのリズムの切れが若干落ちる気がした。 トニー・レヴィンのコーラスがないのもちょっと寂しい (でもやっぱりカッコ良い)。

余談

椅子に座ったままで複雑怪奇な高速フレーズを恐ろしい正確さと力強さで弾き切るフリップは、 まるで悟りを開いた高僧のようなたたずまいであった。

アンコール1曲目 "Three of a Perfect Pair" はブリューのアコースティック・ギター弾き語りによるもので、感動的。 "Elephant Talk" はブリューのぞうさんギターやや不発気味。 そして、なんとデヴィッド・ボウイの "Heroes" が!

[2000.10.29記]


吉村俊司(東京都)

ご意見、ご感想はメールまたは掲示板にてお願いします。
リンクはご自由にしていただいて結構です。 最終更新: Oct 09, 2000