- 2002.1.9 20:00〜
- 東京・六本木スイートベイジル stb139
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黒田亜樹(pf)
- Chica (vn)
- O.K. Strings
- クラッシャー木村、伊藤佳奈子、門脇大輔(vn)
- 吉田有紀子、西川紀子(va)
- 森田香織、江口心一(vc)
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東谷健司(cb)
- ゲスト:小松亮太(bn)
第1部
- ブエノスアイレスの夏/ Verano Porteño [Verano Porteno] (アストル・ピアソラ) -黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
- ラ・プニャラーダ/ La puñalada (ピンティン・カスティジャーノス) - Chica & O.K. Strings +東谷
- コラレーラ/ Corralera (アンセルモ・アイエタ) - Chica & O.K. Strings +東谷
- 想いの届く日/ El día que me quierras [El dia que me quierras] (カルロス・ガルデル) - Chica & O.K. Strings +東谷
- ワルツ(無題) (Chica) - Chica & O.K. Strings +東谷
- 天使の死/ La muerte del ángel [La muerte del angel] (アストル・ピアソラ) - Chica & O.K. Strings +東谷
- イマヘネス676 / Imágenes 676 [Imagenes 676] (アストル・ピアソラ) - Chica & O.K. Strings +東谷
- プレルディオ・ヌエベ/ Preludio 9 (アストル・ピアソラ) -黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
- ディベルティメント・ヌエベ/ Divertimento 9 (アストル・ピアソラ) -黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
- フーガ・ヌエベ/ Fuga 9 (アストル・ピアソラ) -黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
第2部
- 大草原の小さな夕暮れ/ Tardecita pampeana (アストル・ピアソラ) -黒田
- アディオス・ノニーノ/ Adiós Nonino [Adios Nonino] (アストル・ピアソラ) -黒田
- バンドネオン協奏曲/ Concierto para bandoneón [Concierto para bandoneon] (アストル・ピアソラ) -小松+黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
- 第1楽章アレグロ・マルカート/ 1er movimiento Allegro marcato
- 第2楽章モデラート/ 2do movimiento (moderato)
- 第3楽章プレスト/ 3er movimiento Presto
- 現実との3分間/ Tres minutos co la realidad (アストル・ピアソラ) -小松+黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
アンコール
- バンドネオン協奏曲より第1楽章アレグロ・マルカート/ Concierto para bandoneón [Concierto para bandoneon] 1er movimiento Allegro marcato (アストル・ピアソラ) -黒田+ Chica & O.K. Strings +東谷
東京ピアソラランドの久々のライブ。今回も2001年6月のライブと同様拡大版O.K. Stringsが参加し、弦楽アンサンブルを中心とした構成であった。
オープニングはゲスト以外全員の演奏で新レパートリーの「ブエノスアイレスの夏」。ピアソラのコンフント・ヌエベ(九重奏団)での演奏をベースにホセ・ブラガートが室内楽アンサンブル用に編曲したもので、非常に聴き応えがあったが、いきなり重い導入で客席はちょっと沈んでしまった感もあった。ピアノも引っ込んで弦楽アンサンブルのみによるパートでは、既におなじみのミロンガ2曲、ロマンチックな曲2曲とも安定した演奏。続くピアソラの2曲のうち「天使の死」は、第2主題を導入に持って来る曲の構成が次のフーガへの展開をよりドラマチックに極立たせる効果を上げていた。再びピアノが加わっての「ヌエベ」シリーズで第1部は終了。
第2部は黒田によるピアノ・ソロでスタート。初めて聴く「大草原の小さな夕暮れ」は、ピアソラ初期のピアノ曲としては、他からは群を抜いて魅力的な曲であり、この日の大きな収穫であった。一方「アディオス・ノニーノ」は残念ながら演奏に精度を欠いた感あり。ゲストの小松が登場して、前回第1、第3楽章を演奏して好評だった「バンドネオン協奏曲」を今回は全楽章演奏。小松らしい力強い演奏で今回も好演だった。ラストの「現実との3分間」はスピード感溢れるタイトな演奏。
全体に決して悪い内容ではなかったと思うのだが、1曲目の重さゆえか客席は若干盛り上がりに欠けた感がある。また、演奏はかなりの迫力だったが、メリハリやバランスという面では今一つだったかもしれない(もっともバランスについては私の席があまり良くなかったのが原因である可能性もある)。
(筆者体調不良による執筆中断などにより、公演から大幅に遅れてのレポートとなってしまったことをお詫びします)。