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2002年に聴いたCDから(ジャンルいろいろ編)〜行きあたりばったり音楽談議(13)


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はじめに

タンゴ編2に続いて、タンゴ以外のジャンルのCDをご紹介します。タンゴ編に比べると聴いた絶対数が少ないのですが、幸い良い内容のものを手にする機会に恵まれていたと思います。

ジャンルいろいろ編

アイヌの民族楽器「トンコリ」によるハイパー・トランス・ミュージック

オキさんのことは、週刊「SPA!」のインタビュー記事「エッジな人々」で知りました(内容は非常に刺激的だったのですが、うかつにもスクラップせずに捨ててしまったようで、残念無念)。

アイヌの民族楽器「トンコリ」とチャント(詠唱)を現代のテクノロジーと組み合わせた音はポップでファンキー。聴く者をトランス状態に誘います。シベリア先住民族出身のオルガという女性による、ほとんど呪術的なヴォイス(声というよりは息そのもの)も極めて強烈なインパクトを持っています。

メセニーの壮大な世界

一部メンバーを入れ替えてのパット・メセニー・グループの最新作。基本的にこれまでのメセニーの路線をそのまま踏襲していながら、なおかつ新鮮で非常にスケールの大きい音楽となっているのはさすがと言うしかないでしょう。新メンバーのアントニオ・サンチェス(ds)、リチャード・ボナ(vo, perc, etc)、クン・ヴー(tp, vo)らもそれぞれの持ち味を出して好演です。

ちなみに彼等のコンサートも私にとっては年間ベスト・ライブでした。

ギターとオーボエの清新なコラボレーション

ギターの鈴木大介さんとオーボエの古部賢一さんによるデュオです。これはとにかく聴いて楽しい!ブラジルのサンバ、ボサノヴァ、ショーロのスタイルで書かれたセルソ・マシャドの作品、アメリカのカントリー・ミュージックの要素を強く感じさせるロバート・ビーザーの作品など親しみやすい楽曲が多いのも一因でしょう。一方で彼等からの委嘱によって書かれた作品では、新しい試みへの意欲が感じられます。ギターの心地良いグルーヴ感、オーボエの美しく澄んだ音色の素晴らしいおすすめの1枚です。

パーカッションとヴァイオリンの意外な組み合わせ

野口千代光さん(vn)、神田佳子さん(perc)のデュオ。ちょっと考えにくい組み合わせですが、これが実に面白いのです。バッハがアラブに行ってしまったり、遊園地のようなサティが登場したり、ゴジラが吠えたり…。こう書くと何のことやら、という感じですが、聴くと納得して頂けるかと思います。ゲストに黒田亜樹さん(pf)も参加。

ラテンの血のたぎるチェンバロ

これは実に衝撃的でした。1曲目のスカルラッティ作「ファンダンゴ」はまさにフラメンコのノリ。超絶技巧もさることながら、キーのカタカタいう音がパルマ(手拍子)に聴こえてきます。チェンバロでこんな音楽が奏でられるとは素直に驚きを隠せません(単に私が知らなかっただけかもしれませんが)。

なお、このCDについては、掲示板で静島昭夫さん、謎頭巾さんから情報を頂いたのが購入のきっかけでした。

というわけで

以上、2002年に聴いたCDからいくつかご紹介しました。こうして見ると、去年は私にしてはあまりロックやジャズを聴いていなかった年だったということがわかりました。今年はどんな傾向になるのかな??

さて、次回については今のところ未定です。去年後半に行ったライブについて、音楽的実演鑑賞の記録を全然書いていないので、しばらくそちらのフォローに回ることになるかもしれません。

(2003年1月4日作成)

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