「レコード輸入権」問題

不覚でした。某誌からこの問題に関するアンケートが送られてきたので、あわてて Web でイロイロ調べたのですが…これは非常にマズいことになっています。
著作権法を改正して、「レコード輸入権」を確立しよう、という動きがあるのはご存知でしょうか。元々は、廉価な海外製邦楽 CD (海賊盤のことじゃなくて、その国では正規盤であるもの) の「環流」(逆輸入) を禁止しよう、という話が発端だったようです。ディスカウント・ストアなんかで売られている J-POP の安い CD なんかのことですね。
ところが、実際の法案では、一般の洋楽輸入盤が消える可能性まで出てきてしまったのです。さまざまなケースが考えられますが、少くとも

  • 国内盤が出ている洋楽 CD の海外盤を安く買うことができなくなる (通販、個人輸入も NG)

ということぐらいは覚悟しなければならないようです。場合によっては国内盤が出ていないものも実質禁止となってしまう可能性もあります。こうなると、特にタンゴなどワールドミュージックの愛好者は、聴くものがなくなってしまいます。
「本当か?考えすぎなんじゃないのか?」と思う方、とりあえず以下のサイトをのぞいてみて下さい。

それにしても、著作権の保護という名目だと、気をつけなければ良いことをしているように聞こえてしまいますね。実際には、上記の山形浩生氏の文にもあるように、著作権者の利益はこれによって一層保護されるということはなさそうです。
実際に保護されるのは、輸入盤に比べてやけに高い価格を維持しているレコード会社の利益でしょう。これを著作隣接権として捉えてしまうとあら不思議、商業的利益の問題が文化・芸術的な問題にすりかわってしまうのですね。
この問題、あまり時間がありません。既に法案は参院を通過しており(2004/4/21)、衆院の議論ももうすぐ始まるようです。さて何ができるか…。

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