大いに笑い、何度もうなづき、2度泣きそうになった 〜 トリオ・ロス・ファンダンゴス (2004年8月22日 新宿ミノトール2)
トリオ・ロス・ファンダンゴスがついに東京にやって来た!!
ファンダンゴスは福岡、北九州を中心に活動しているヴァイオリン、ピアノ、アコーディオンによるタンゴ・トリオ。最初に CD を聴いて以来この日が来るのを心待ちにしていたのだ。 で…いやー、楽しかったなあ。噂通りの素晴らしいライブだった。
奇をてらわない王道アレンジによる古典的名曲「レクエルド」「バンドネオンの嘆き」「夜明け」「レ・ファ・シ」「ラ・プニャラーダ」「黄金の心」「巴里のカナロ」「颱風」などの合間に、ヴァイオリンの谷本さんによる抱腹絶倒トーク。「牛でございます」「泉ワク〜」「レ・ファ・シ物語」「エスプリでございます」「しちょうしゃしゃんかばんぐみ」などなど、面白いの何の (聴いていない人にはこれだけではワケわからんでしょうが)。しかも、脱線しているようでいてあくまで曲を楽しく聴くためのトークに徹している上、肝心の演奏もタンゴへの深い愛と理解に基くしっかりとしたものであるので、本当に心地良く楽しく聴けるのだ。
ケンジ&リリアナのダンスもさすが。コミカルなものからロマンチックなものまで、大いに楽しませてもらった。「我が最愛の人の面影」(だったかな?) の物語り性も素晴しかったし、「悪い仲間」でのファンダンゴスの向こうを張る爆笑ダンスは凄いの一言。
そんな中、2度ほど大笑いして出た涙とは別の涙が流れそうになった。ピアソラの「天使のミロンガ」は、谷本さんが「すべての悲しみが詰まったような曲」というようなことを言っていたが、まさしくそれを感じさせる演奏。リリアナさんのソロから始まるダンスも何とも切なく、胸が締めつけられるような1曲であった。
もう1曲は、この日唯一のタンゴ以外の曲であり、唯一谷本さんが歌った曲である「脱走兵」。フランスのアルジェリア侵攻に反対して兵役を忌避して脱走兵となることを決めた男が大統領に宛てて書いた手紙、という内容のボリス・ヴィアンのシャンソンで、その後米国や日本でも歌われるようになった曲だそうである。結局その頃から状況は何も変わっていないのだな、等と感じるうちにどうもじわーっと…。
まさに「笑いあり涙あり」の充実したひととき。
(以上、ちょっとずつ書き足してやっと完成した感想でした)
- トリオ・ロス・ファンダンゴス
- 2004年8月22日 14:00〜 新宿・ミノトール2
- ヴァイオリン: 谷本仰
- アコーディオン: いわつなおこ
- ピアノ: 秋元多恵子
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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