毎秒小さじ2/3 〜 英セラフィールドの核処理施設事故

まずは事故のことをごく簡単におさらいしてみる。各所のニュースを総合すると大体以下の通り。
4/18 に、英国セラフィールドにある核燃料再処理施設において、放射性物質を含んだ溶液が工程のパイプから多量に漏れているのが発見された。漏れた溶液の体積は83立方メートル(83,000リットル)で、約20トンの使用済核燃料を含んでいる。20トンの大半はウランだが、200キロのプルトニウムも含まれている。処理施設は停止されており、外部への放射能漏れの心配はないが、漏れた溶液を回収するには数ヶ月を要する。
なお、パイプの破損と溶液の漏曳は、昨年8月に起きていた可能性がある。その場合、9ヶ月も放置されていたことになる。
(主な参照先)

さて、83,000リットルの溶液が流出、と言われても、なかなかピンと来ない。「9ヶ月」という話が出る前は、これだけ大量の溶液が短時間に流れたとしたら、それは「漏曳」ではないだろう、という考察もあった (高橋健太郎さんの blog の5月の記事にて、「セラフィールドの事故は本当に”漏洩“事故か?」など)。
では、最新ニュース通り9ヶ月かけて83,000リットル流出したとしたら?1ヶ月あたり約9,000リットル、1日あたり約300リットル。ちょっと想像できる領域に近付いてきたぞ。1時間あたりが12.5リットル、1分あたり200cc強。おお、1分に計量カップ1杯か。1秒あたり3.5cc。毎秒小さじ2/3ってところね。
なるほど、これはチョロチョロ漏れた感じだな。「漏曳」と呼んでもいいかもしれない。こんな流量なら気付かなかったのも無理はない…なんてことは断じてないが。
でも、本当に9ヶ月気付かなかったのかなぁ。「破断」といったような危険な事故じゃなくて、あくまでちょっとずつ漏れていたのに気付かなかっただけ、というために、無理につじつま合わせで期間を長くしたんじゃないかな、という気もしてくる。だって、毎日300リットルずつ液がたまって行くんだよ。まっとうなシステムだったら気付くだろ、普通。

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