「世界征服」は可能か?

最近読んだ本の中でも圧倒的に面白い。

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)(岡田 斗司夫)

そう、なんでアニメの悪役、悪の秘密結社は「世界征服」をたくらむのか、「世界征服」って具体的にどういうことなのか、確かに前から疑問ではあったのだ。疑問ではあったもののアホらしくて真剣に考えたことはなかった。
が、これをアホらしいと思わず真剣に考えた岡田斗司夫はすごい。世界征服を目指す4つのパターン分析に始まり、われわれがもし世界征服を志すとしたらどうすればよいのか、世界征服を達成した後は何が待ち受けているのか、といったところまでシミュレーションしているのである。古今東西のアニメ、映画に登場する悪役の行動についても詳細に分析し、そこから悪の秘密結社運営のための教訓も得ている。
これだけでも十分面白いが(ここまでは「空想科学読本」と類似のアプローチとも言えるかも)、最後は改めて現実社会と向き合いつつ、「悪」「征服」「支配」とはいったい何なのかを問いかけてくる。この部分に著者の想いが最も詰まっていると言えるだろう。

  • 2007-06-29 加筆修正
[posted on 2007-06-27]

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