7つのピアソラ−乾千恵の画文集(乾千恵、岩波書店)

臨時ニュース!ピアソラ関連ライブ情報でも言及した乾千恵さんの画文集。

7つのピアソラ―乾千恵の画文集(乾 千恵)

書家であり、エッセイなどでも活躍する乾千恵さんがピアソラの音楽と出会ったのは1992年、奇しくもピアソラの没年である。すぐにその音楽にとり憑かれた彼女は、やがてそこから浮かぶ画像たち(イマヘネス)を絵にするようになる。十年の間に描かれた7つのピアソラの楽曲にちなむ絵とそれにまつわる想い、さらにピアソラの音楽によってつながった人々とのさまざまなことが書き綴られた一冊。
読む側としては、千恵さんの感じたイメージを通じて改めてピアソラの楽曲を感じる、という体験をすることになる。必ずしも自分の持っているイメージと重なるとは限らないわけであるが、これが非常に面白い。私自身は「ラ・カモーラIII」に特に意外性を感じ、なおかつ納得できる気がした。
齋藤徹さんをはじめとする人々とのつながりについては、ピアソラの音楽を強く愛し、真剣に向き合っている人同士の想いがこちらまで伝わってくるような文章。最後の部分はスリリングですらある(従って内容はここには書かない)。
[Posted on 2008-02-12]

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