Cafe De Los Maestros(カフェ・デ・ロス・マエストロス)
日本タンゴ・アカデミーによる2008年12月7日のタンゴ・セミナーで取り上げたCDの2枚目は、タンゴ界のベテラン・アーティストにスポットライトを当てたカフェ・デ・ロス・マエストロス。
Cafe De Los Maestros(Various Artists)
(AmazonにはUS盤、UK盤がいくつか上がっており、上記はその中の一つ)
これも2005年リリースでやや古いのだが、2008年に改めてヨーロッパ、北米でもリリースされたので無理やり紹介アルバムに含めた。なぜ無理して含めたかといえば、このアルバムをプロデュースしたのが1枚目に紹介したバホフォンドのリーダー、グスタボ・サンタオラージャだからである。
収められているアーティストはカルロス・ガルシーア、オラシオ・サルガン、ラグリマ・リオス、ネリー・オマール、レオポルド・フェデリコ、カルロス・ラサリ他。存命中のアーティストとしてはこれ以上望めないほどの面々が揃っている(録音後これまでの間にホセ・リベルテーラ、ラグリマ・リオスは亡くなってしまった)。サンタオラージャの偉大な先人への尊敬の念とタンゴへの愛情がひしひしと感じられる2枚組みアルバムである。
セミナーではこの中から、オラシオ・サルガン楽団による”La llamo silbando”(彼女を口笛で呼ぼう)をかけた。この曲はサルガン自身が作曲したもので、それほど有名な曲とはいえないのだが、独特のリズム感ととぼけた味わいがいかにもサルガンらしい佳曲である。ここでの録音のピアノはマエストロ本人ではなく息子のセサル・サルガンが担当、また第一バンドネオンはこの曲が最初に録音された1950年代と同じレオポルド・フェデリコで、終盤には軽やかなソロが聴ける。さらに、第一ヴァイオリンはフェルナンド・スアレス・パスが担当し、口笛の音をフラジオレットで出している。
なお、同名の映画も来年公開される予定とのこと。今から楽しみ!
おっと、YouTubeに映画のトレーラー(予告編)が。バックに流れているのはマリアーノ・モーレス楽団による「軍靴の響き」。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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