ピアソラ生誕90周年記念「ブエノスアイレスのマリア」
来年3月に大変な公演が予定されていることに気づいた。
ピアソラ生誕90周年記念「ブエノスアイレスのマリア」
日時は2011年3月19日 15:00〜、場所は東京オペラシティコンサートホールである。公式情報はこちら。
演奏は小松亮太 & Tokyo Tango Dectet。気になるマリア役はカティエ・ビケイラ、小悪魔役はパブロ・シンヘル。そう、あの「若き民衆」日本初演の際の二人がまた参加してくれるのだ。
「ブエノスアイレスのマリア」は、アストル・ピアソラがオラシオ・フェレールの脚本を得て1968年に発表したオペリータ(小オペラ)で、ピアソラのキャリアの中でも金字塔と呼べる傑作。オリジナルキャストによる録音はまさに圧倒的な力を持っており、今聴いても鳥肌が立つほどの興奮と感動を与えてくれる。
これまでにも、ギドン・クレーメル、ミルヴァがそれぞれ日本で公演を行っている。私は前者についてはテレビで、後者はライブで観て、それぞれ感動を覚えた。ただ、いずれも演奏にわずかながら不満が残る部分があったのも正直なところ。
おそらく小松亮太率いるアンサンブルの演奏は、これら二公演を凌駕することは間違いないだろう。カティエ・ビケイラ、パブロ・シンヘルの声の素晴らしさも『若き民衆』で体験済み。あと気になるのは、男性歌手として誰が参加してくれるのか…
とにかく、まだ半年先のことながら、もう今から待ち遠しい!皆様もぜひお見逃しのなきよう。
というわけで、ぜひオリジナルを予習しておこう!と紹介しようとしたら…国内廃盤? orz
2000年にビクターから出たこれは、高音質リマスタリングされたもの。2010年9月27日現在大変な高値がついている。価値がないとは言わないが…私には手が出ない。
ブエノスアイレスのマリア(ピアソラ(アストル)/ピアソラ/ゴーシス(ハイメ)/アグリ(アントニオン)/バラリス(ウーゴ)/パニック(ネストル)/ポンティーノ(ビクトル)/バルタール(アメリータ)/デローサス(エクトル)/フェレール(オラシオ))
1998年にオーマガトキから出たこちらはまだリーズナブル。
ブエノスアイレスのマリーア(アストル・ピアソラ)
輸入盤はいろいろ紛らわしいのが多いので(タイトルが”Maria de Buenos Aires”であっても内容が全然違うとか、オリジナルキャスト盤ではないとか)下手に手を出さないほうが良さそう。歌詞・脚本の日本語対訳もあった方が良いし。一応下記のものはオリジナル盤であると思われるが、買われる場合は自己責任で。2枚組みがバラで売られている。
Disc 1
Vol. 1-Maria De Buenos Aires(Astor Piazzolla)
Disc 2
Vol. 2-Maria De Buenos Aires(Astor Piazzolla)
ついでにギドン・クレーメルがフリア・センコ、ハイロ、オラシオ・フェレールらを迎えて録音したものはこちら。オリジナルの持つ魔力に勝てないのは致し方ないところだが、かなり健闘しているのも確か。
ピアソラ:ブエノスアイレスのマリア(ポッシュ(アロイス)/クレーメル(ギドン)/ゼブリュナイテ(ウーラ)/スドラバ(マルタ)/サハロフ(バディム)/グロルビゲン(ペル・アルネ)/フェドトーワ(マリア)/フェレール(オラシオ)/コーラル・リリコ・ブエノスアイレス/センコ(フリア))
[Posted on 2010-09-27]
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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