小松亮太お正月LIVE!(2013年1月5日 東京・江古田Buddy)
2013年1月5日、東京・江古田のライブハウスBuddyにて小松亮太のお正月ライブがあった。諸事情により演奏者側は「ピアソラのあのオペラ」という言い方をしているが、聴いた側がタイトルを伏せる意味はあまりないと思われるのでこの際書いてしまおう。アストル・ピアソラとオラシオ・フェレールによる1968年のオペリータ(小オペラ)『ブエノスアイレスのマリア』全曲演奏である。
ご存知の方も多いと思うが、この作品はもともと2011年3月19日に小松がオペラシティで公演する予定だったもの(当ブログにも記事を書いた)。結局震災で中止になったものの、中止が決まってからも余震の中でリハーサルを行い、いつか必ず再演すると心に誓ったのだそうだ。その時の経緯はバイオリンの谷本仰さんのブログに詳しい。
そんな2年前の悔しさを胸に、2年間の様々な経験を糧にした演奏が熱くならないわけがない。聴いているこっちも何度かこみ上げるものがあった。まあ正直なところ、一部熱くなり過ぎな感もなきにしもあらずではあったが、ともかくこれが新たなスタートなのだ。表現はここからさらに洗練されていくだろう。
一つの目標になると思われるのが今年2013年6月29日に行われる東京オペラシティでの公演。今回は歌手に何と1968年のオリジナルキャスト、アメリータ・バルタールを迎えるというのだ!男性歌手は前回もメンバーで、さらに2012年の『エル・タンゴ』でも素晴らしい歌声を聴かせてくれたレオナルド・グラナドス。語り部には本来主役級の大歌手ギジェルモ・フェルナンデス。これは見逃すことはできない。
一方で、今回のBuddy公演におけるオール日本人キャストでの公演も、もっと機会があってしかるべきだと思う。歌手のSayaca、KaZZmaとも素晴らしい歌唱だったし、語りの片岡正二郎もオリジナルのオラシオ・フェレールとはかなり持ち味は違うものの、独自の切り口での小悪魔を好演していた。小松自身、ライブの冒頭で「どこかで呼んでもらえるならぜひやりたい」というようなことを言っていたので、特に地方自治体などで公演を企画・招聘する担当者の方、読んでいたらぜひオファーを!
- 日時:2013年1月5日 16:00~
- 場所:東京・江古田Buddy
- メンバー:
- 小松亮太 (bn)
- 黒田亜樹 (pf)
- 鬼怒無月 (g)
- 近藤久美子、谷本仰 (vn)
- 吉田有紀子 (va)
- 松本卓以 (vc)
- 田中伸司 (cb)
- 井上信平 (fl)
- 佐竹尚史 (perc, ds)
- 真崎佳代子(perc)
- KaZZma、SAYACA (vo)
- 片岡正二郎 (語り)
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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“小松亮太お正月LIVE!(2013年1月5日 東京・江古田Buddy)” に対して2件のコメントがあります。