すべては「先送り」でうまくいく – 意思決定とタイミングの科学(フランク・パートノイ・著、上原裕美子・訳)

ゴールデンウィーク読書シリーズ第三弾。タイトルを見たときは思わず「オレのための本!」と思った。折しも巷では「いつやるの?今でしょ!」の声が溢れる中、これは読まなくては、と。
すべては「先送り」でうまくいく ――意思決定とタイミングの科学
さて、実際のところ、そんな安易に先送り癖を正当化してくれるような理論があるわけではない。副題の「意思決定とタイミングの科学」の方が重要。とは言え小難しい内容かというと全然そんなことはない。
本書で一貫して扱われるのは「時間のマネージメント」。神経系のメカニズムを起点として、テニスのサービスリターンにおける超高速な判断から、医師や消防士の現場判断、アメフトのコーチの究極の選択、金融市場での投資、そして数十年のスパンで判断される政策決定まで、あらゆるジャンルから豊富な事例を引きつつ、最適な意思決定に至るプロセスとそのタイミングを考察する。最新の研究成果も盛り込まれたそれぞれの事例がとにかく面白い。遅すぎることの弊害も述べられており、必ずしも先送りが万能であるというような内容ではないが、先送り癖のある身としてはうまい先送りの仕方を学ぶ上でも有効だった。
少なくとも読むのは先送りしなくて正解。

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