2013年振り返り ライブ、CD編
2013年後半は殆どBlogを書いていなかったので、せめて1年の振り返り記事でも書こう…と思い大晦日に着手したら思いの外(予想通り?)時間がかかりすぎ。結局年明けの本日2014年1月2日に公開。なお、ほとんどの文章はFacebookに書き込んだ記事やコメントに一部加筆修正したものです。
目次
ライブ
ブエノスアイレスのマリア 小松亮太他
2013年1月5日 江古田Buddy
→ 小松亮太お正月LIVE!(2013年1月5日 東京・江古田Buddy)
2013年6月24日 江古田Buddy
1月の公演と同じく歌手にSayaca、KaZZma、語りに片岡正二郎を迎えてのオール日本人キャストによる公演。小さなスペースで彼等の熱い音に直に触れられたのは嬉しい限り。
2013年6月29日 初台オペラシティ
→ ブエノスアイレスのマリア(2013年6月29日15:00~ 東京オペラシティ)
ニコラス・レデスマ楽団 (2013年1月17日 中野サンプラザ)
「ティエリータ」「デレーチョ・ビエホ」などの古典曲の躍動的な演奏が素晴らしかった。あと「オルランド・ゴニ」「シ・ソス・ブルーホ」なんかの渋いレパートリーもよし。
佐川文絵「健やか5周年ありがとうライブ」 (2013年2月18日 中目黒・楽屋)
ピアニストの佐川文絵さんの、がんから生還して5周年を記念してのライブ。柔らかく美しいメロディーの癒し系のようでいて、実はコード進行もリズムも結構変態的(笑)。でもそれがさりげなく自然で心地よいのだ。ゲストも多彩で、中でも朗読の平坂雅代さんの声は素晴らしかった。
ピアニスト 佐川文絵 オフィシャルウェブサイト
笹久保伸&イルマ・オスノ (2013年2月4日 水道橋・スタジオイワト)
ギタリスト笹久保伸と、歌とダンスのイルマ・オスノのライブ。一番面白かったのがイルマさんの躍り。躍動的なステップとアジア~東欧にも通じるような音楽・衣裳は興味深く、目が釘付け。歌のケチュア語の響き、コブシを回すようなフレージングのギター、単純に割りきれないリズムも新鮮。
そういえば最近、このアルバムが話題になっている。実は未聴なので、早急に入手したい。
アヤクーチョの雨(イルマ・オスノ/笹久保伸/Irma Osno/Sasakubo Shin)
Marieバースデーライブ (2013年3月20日 渋谷Liason)
シンガーのMarieさんのバースデーライブ (昼の部)。基本的に一人で打ち込み+キーボード弾き語りなのだが、オリジナルもカバーもすごく良い。楽しかった!
Marie Official Web Site
写真は彼女が「まだ修行中」と言うギター弾き語りのコーナーで、チューニング中のみ撮影許可されたもの。
Marieバースデーライブ posted by (C)よしむら
エグベルト&アレシャンドレ・ジスモンチ (2013年3月27日 渋谷・シアターオーブ)
ギターも良かったけどピアノがほんとすごい。後から後から音が溢れてくる感じ。あまりに気持ち良くて特に前半は意識が飛びそうだったけど(^^; 本当に幸せな一時でした。
フェルナンド・カブサッキ with 勝井祐二 × U-Zhaan + 後藤まりこ (2013年6月4日 下北沢440)
第一部途中からだけどしっかり堪能。カブサッキはいわゆるギタリストというイメージとはちょっと違って、ギターを使って空間を作り出すようなミュージシャン。秩序立てたフレーズで作った空間を、秩序を狂わせて変形させたり、美しい音色にノイズで切り込んだり、共演者とその空間を広げたり邪魔し合ったり…あー、言葉にするのが難しい!でもほんと面白くて良いライブでした。
フェルナンド・カブサッキ2013ジャパン・ツアーのフライヤー posted by (C)よしむら
2013/6/4のフェルナンド・カブサッキ・ライブのチケット posted by (C)よしむら
三枝伸太朗&黒田亜樹 2台ピアノ・ライブ (2013年8月23日 大塚GRECO)
第一部でいきなり「ピアノ・フェイズ」でもう嬉しくなっちゃう。2年前の新澤さんとクロアキさんの2台ピアノ・ライブで聴いてハマった曲。また生で聴けるとは。
振れ幅広いのに何となくつながるレパートリーはどれもいい。中でも三枝さんの編曲による、スタンダード・タンゴを変なアレンジで演奏しようシリーズが面白かった。メロディーは普通なのに、キー違うんじゃ…って思うほどのリハーモナイズが聴く者の変態趣味をくすぐる。好きなんですよ、こういうの。
2013年8月23日 三枝伸太朗&黒田亜樹 2台ピアノ・ライブ(大塚GRECO) posted by (C)よしむら
東京現音計画#01 (2013年9月13日 荻窪・杉並公会堂小ホール)
現代音楽集団の「東京現音計画」によるコンサート。普段現代音楽なんてほとんど聴かないので逆に新鮮だった。大石将紀のサクソフォンのソロによるジョルジョ・ネッティ《最後に、かたわらで (翼の生えた)》、神田佳子のスプリングドラムによるピエールルイージ・ビッローネ《マニ・モノ》、そして杉山洋一の2作品《ファンファーレ》、《五重奏 (アフリカからの最後のインタヴュー)》 (前者は橋本晋哉のチューバのソロ) が私にとっては非常に面白く印象的。アルド・クレメンティやフランコ・ドナトーニの電子音楽は正直ちょっとピンとこなかったなあ。
東京現音計画
東京現音計画#01 posted by (C)よしむら
東京タンゴ祭2013 (2013年10月14日 有楽町・よみうりホール)
アマチュアからトッププロまで9つのタンゴ楽団が一同に会し、3時間にわたってタンゴ浸けとなれるお祭りコンサート。強いて1楽団挙げるとすれば京谷弘司クアルテート!全て自身のオリジナル作品で渾身の演奏。感動した。
東京タンゴ祭2013
東京タンゴ祭2013 posted by (C)よしむら
Bizテインメント・シアター WAY OUT (2013年10月30日 博品館劇場)
破綻寸前の日本が国際投資ファンドに買収される!?という荒唐無稽(でもないかも?)なストーリーながら、サラリーマンが積み重ねる代わり映えしない日々のかけがえのなさ、政治家や経営者の担うべき責任など、いろいろと沁みてくるものがある。もちろんイケメン俳優たちの切れの良いダンスも楽しめて、最後は爽快な結末。
もっとも、歌も踊りも台詞回しも、初日故かちょっと硬いところはあった気がする。二日目以降はもっと良かったのかも。
制作総指揮は高校で同期の吉田理宏氏。やるなあ。
WAYOUTカンパニー | 働くを面白く!ビジネスをエンターテインメントに!
Bizテインメント・シアター WAY OUT パンフレット posted by (C)よしむら
ミシェル・ンデゲオチェロ (2013年11月18日 六本木 ビルボードライブ東京)
一曲目!!!ビートルズの “Tomorrow Never Knows” ですよ、あーた。ニーナ・シモンに捧げるライブと言いつついきなりやられた。中盤の思い切りサイケデリックな展開にはいきなりトランス状態。
以後は目下の最新作 “Pour Une Ame Souveraine” からの楽曲を中心に演奏が進む。これまでの来日ではサポート・ベーシストを伴い、ミシェル自身がベースを弾くのは要所のみだったけど、今回は最小限の4人編成なのでずしーんと重い彼女のベースを存分に堪能。アルバムではゲストポーカリストが歌っていた曲も彼女のボーカルで聴くことができた。その声は誠実そのもの。
一曲目に負けず劣らずサイケデリックな展開を見せる曲もあれば、アコースティック・ギターをフィーチャーしたフォークロックっぽい曲もあり、そのいずれもが70年代の薫りを漂わせつつ全く古さを感じない。後者にあたる “Suzanne” とかほんと良かったなー。
本編ラストは個人的に大好きな “Four Women”。一際深く重い歌は本当に心にしみる。その後「もう一曲やるのは決まりきっているのに変な習慣よね」とかなんとか言ったように思うけど、とにかく形だけ引っ込んだりするのはやめてすぐにアンコール相当の “Please Don’t Let Me Be Misunderstood” を歌い、すっと引っ込んで終わり。その潔さがまた彼女らしい。最高のライブでした。
Meshell Ndegeocello – Official Website
鬼怒無月キンテート (2013年12月10日 江古田Buddy)
事情により第2部のみ。小松亮太やパブロ・シーグレルとの共演、プログレタンゴのサル・ガヴォなどで既にタンゴ界でも名の知れたギタリストである鬼怒無月が、自らリーダーとして本格的にタンゴに取り組む。第2部は自作やピアソラが中心だったけど、第1部では古典タンゴもがっつり演奏した模様。気心知れたメンバー (Pf 熊田洋、bn 北村聡、vn 近藤久美子、cb 西嶋徹) だけにアンサンブルはばっちり。今後もコンスタントに活動して行くようで、楽しみなグループ。
ギタリスト鬼怒無月のサイト
CD
金森浩太 / 雨上がり、すみれ色
高校の後輩にあたるギタリスト、金森浩太さんのCD。アコースティックギターで心休まる音楽を奏でる彼のアルバムです。
雨上がり、すみれ色(金森浩太)
上記アルバムの収録曲ではないけど、国連ウィーク2009のテーマとして彼の音楽が使われました。
笹久保伸 / Quince
“Llorando se fue” (ボリビアのフォルクローレグループ、ロス・カルカスのウリーセス・エルモサ作)、”Portrait of Tracy” (ジャコ・パストリアス作) が圧巻!他にも秩父の仕事歌、美しい自作曲など、伝統を踏まえた前衛が全編を貫く一枚。
カバーアートは故・粟津潔の作品。広く出資者を募る、いわゆるクラウドファンディングの手法で資金を集めて作られたアルバムであることも付記しておく。
Shin Sasakubo web site
笹久保伸 / Quince posted by (C)よしむら
高樹レイ×竹内直 / Two Voices
竹内直さんのサックス、フルートとレイさんのヴォーカルのみ、ごく一部で多重録音もあるものの基本的に二声だけで綴るジャズ。歌と伴奏という関係でなく、どちらも主役、対等の関係でのインタープレイです。コード楽器もリズム楽器もいないのに、2人の作る空間にさまざまな和声を感じ、2人のグルーヴからリズムを感じます。”Afro Blue”や”Caravan”にゾクゾクしつつ、間をたっぷり取ったバラードも絶品。
Rei’s Room
Two Voices(高樹レイ 竹内直)
アメリータ・バルタール、小松亮太他 / ブエノスアイレスのマリア
6月29日のオペラシティでのライブ録音。これは歴史に残るぞ。
ブエノスアイレスのマリア(小松亮太)
アメリータ・バルタール、小松亮太他 / ブエノスアイレスのマリア(ライブ会場での予約特典サイン付き) posted by (C)よしむら
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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