英国一家、日本を食べる (著:マイケル・ブース、訳:寺西のぶ子、亜紀書房)

先日たまたま立ち寄った本屋で平積みになっていた本。ちょっと立ち読みしたら止まらなくなって、そのままレジに直行してしまった。実店舗での本との出会いとしては理想的な展開。これだから本屋に時々は行かないとね(という割にはアマゾンのリンク貼ってみたりw)。

英国一家、日本を食べる(亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズ)(マイケル・ブース/寺西 のぶ子)

著者は英国のトラベル・ジャーナリストでフード・ジャーナリストのマイケルブース。パリの料理学校ル・コルドン・ブルーで1年間修行し、3つ星レストランに在籍していたこともあるという人物である。
ル・コルドン・ブルー時代の友人である日本人シェフに「お前は日本料理のことなんて何もわかっていない」と挑発された彼は、日本食べ歩きの旅を決行する。妻と2人の幼い子供が同行するという想定外の展開ながら、新宿の思い出横丁や札幌ラーメン横丁や福岡の屋台から、大阪北新地のカハラ、銀座の壬生に至るまで、縦横に食べ尽くしていく。しかも、ただ何を食べた、こんな味だった、だけではなく、その料理の味が何によって成り立っているのか、背後にはどんな文化や哲学があるのかにも言及。英国人らしいユーモアと毒も織り交ぜつつ、時には日本人である私が知らないことや、英国人ゆえの勘違いと思われる話、さらには妻や子供の視点がなければ到達しなかったようなエピソードまで。これは読み出したら止まらない。
ところで、実は原書 (この本は本来欧米の読者に向けて書かれたものなのだ)では言及されている話題のいくつかが、本書の翻訳時には省略されているらしい。これは原書も読んでみた方が良いかな…。一方で、続編が出ているようなので、それも興味深い。次はどっちを読もうか。

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