母が好きだったタンゴ
実は今年 (2020年) 6月の末に母が亡くなりました。細かいことは書くと長くなるので止めておきますが、もういつ急変があるかわからない、という時期にようやく面会が叶うことになり、何か持って行けるものはないか、と思案して思いついたのが、母が持っていたレコードの楽曲をCD-Rに焼いて行くということでした。実は私がタンゴを聴くようになったのは、子供のころ母が持っていたレコードを引っ張り出して聴いているうちに気に入ってしまったという経緯だったので、何が家にあったのかは概ね頭に入っています (特別なコレクターではなかったので、そもそも数が少なかったのですが)。音源はPCに取り込んであったものと、一部Amazonのダウンロード販売のお世話にもなって、一通り揃いました。
果たして面会に行ってみると、意識こそはっきりしていたものの既に色々なことがわからなくなっているようでした。持参したCD-Rをかけたら急に表情が明るくなり…等というドラマチックな展開も起きず、正直肩透かし。まあ現実なんてそんなものでしょう。それでも、その後亡くなるまで数日、妹が持参した他のCD (やはり好きだったカーペンターズなど) ととっかえひっかえ病室で流していたので、最期の日々を好きな音楽と共に過ごしてもらうことはできたかな、と思っています。
Spotify でも同じ曲目のプレイリストを作成することができたので、ここにご紹介しておきます。最初の2曲は母自身はレコードを持っていなかったけど後年好きになった曲、以後は若いころに買い揃えたレコードの楽曲で、3~7はSP盤から、8以降はドーナツ盤、オムニバスのLPからの抜粋。プグリエーセが並びます (細かいことを言うと、9は母が持っていたレコードとはバージョン違いなのですが)。
元気だったころに「私の葬儀は特別なことは何もいらない。プグリエーセのレクエルドを流してくれればいい。」と言っていたので、同じCD-Rを葬儀にも流してもらいました。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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