パンデローとパンデイロ
諸事情あって久しぶりの更新になってしまいました (諸事情以上に単にサボっていたというのもありますが)。
さて、北海道のお菓子メーカーで柳月という会社があります。三方六とか、最近ではあんバタサンとか有名ですね。で、最近ここのお菓子で初めて食べたものがとても美味しかったのでご紹介しようかと。
柳月パンデロー 月ふわり というのがそれです。
上のインスタグラムへの投稿に書いた通りで、ふんわりしててもちもちしてて、なかなか癖になりそうな食感。美味しいのです。とまあ、お菓子の紹介としてはこれ以上言うことはないのですが、個人的に引っかかったのがパンデローという名前。これは何だろう…もしかしてブラジルのパーカッション、パンデイロと何か関係があるのでは??どっちも丸いし…
先に結論から書くと、関係ありませんでした(笑)。
パン・デ・ロー(ポルトガル語: Pão-de-ló)は、ポルトガルの伝統的な菓子の一つである。
概要
ポルトガルの修道院生まれの菓子で、教会へのお供え物と作られ、キリスト教行事に振る舞われる。現在も復活祭のときには必ず食べられる伝統菓子であり、特に北部では久々の家族親戚の集まりや結婚式、洗礼式には必ず登場する。毎年5月になるとパォン・デ・ロー祭りも開催されている。
現在作られているものの製法は16世紀にすでに存在し、日本のカステラのルーツであるという説がある。
ポルトガルではパォン・デ・ローと呼ばれる。パォン・デ・ローの「パォン」はパンを意味し、「ロー」はポルトガル語にはなくシルクロードでつたえられた絹の「絽」とも考えれ、語源については諸説ある。
Wikipedia パン・デ・ロー
パンデローは pão de ló で、パンデイロ pandeiro とは綴りが全然違います。
で、なんで絽が名前に入ったかというと、
そのふわふわとした焼き上がりが、絹織物の薄い布地に、似ているところから名付けられたといわれています。
カステラ文化館|カステラ文化誌
ということなのだそうです。16世紀から続くポルトガルの伝統的なお菓子の名前がシルクロードで伝わった中国の絹織物にちなんでおり、それが今度は日本に伝わってカステラになった、というのもなかなか壮大な旅ではあります。そして柳月が、改めてカステラではなくパンデローをモチーフに新しいお菓子を作った、というのも面白い。
さてさて、タイトルに並べた割には全く関係なかったパンデイロですが、どういう楽器なのかご紹介しておきます。
パンデイロ(ポルトガル語:pandeiro)は、一般に、サンバやボサノヴァ、ショーロなどで用いられるブラジル風のタンバリンである。ただしポルトガル語ではタンバリン全般をこう呼ぶ。なおブラジルには「タンボリン」という楽器もあるが、まったく別の楽器である。
Wikipedia パンデイロ
見てもらうのが早いですね。まずは伝統的なスタイルから。ブラジルのショーロという音楽で、グループ≪ホーダ・ヂ・ショーロ≫の演奏する「ノイチス・カリオカス (カリオカの夜 or リオの夜)」。
右から三人目の帽子をかぶったお兄さんが演奏しているのがパンデイロです。確かにタンバリンみたいなんだけど、歯切れがよく結構低音も出たりして、かっこいいんです。4:35ぐらいからパンデイロのソロが入るのでそこにも注目。
そしてもう一曲、こっちはぐっとコンテンポラリーなロック的アプローチのパンデイロ。マルコス・スザーノという素晴らしいパーカッション奏者が、ギターとボーカルのレニーニとのデュオで演奏する「エスクルプロ (不安)」。これはねー、とにかく観て!
というわけで、単純に名前が似ているというだけで関係なかったパンデローとパンデイロを無理やり並べた記事でした。お粗末。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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