Viaje de Tango 第3回 オスバルド・プグリエーセ
大幅に遅くなってしまいました。2021年6月6日の「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の中のコーナー「吉村俊司の Viaje de Tango」第3回 オスバルド・プグリエーセ特集、事前メモの公開です。
目次
Viaje de Tango 事前メモ
オスバルド・プグリエーセ
- 1905.12.2~1995.7.24
- ブエノスアイレス生まれ
- ピアニスト、作編曲家、楽団指揮者
- プグリエーセという姓はイタリアのプーリア州の人という意味で、実際ルーツはプーリア
- ピアソラの父方の祖父母はプーリア州トラーニ出身で、ピアソラはプグリエーセに対して「ピアソラはプグリエーセなのだ」と言っていた (参考:Astor Piazzolla – Piazzolla Experience – 私は Google 翻訳で英訳して参照)
- 十代の頃からいくつかの楽団に参加
- 1929年にはエルビーノ・バルダーロとバルダーロ=プグリエーセ楽団
- 何度か自身の楽団を結成しようとして頓挫、ようやく1939年にオスバルド・プグリエーセ楽団としてカフェ・ナシオナルにデビュー、1943年からレコード録音開始
- 以後1990年代まで一貫してオルケスタ・ティピカを率いて活躍
- 1965年、1979年、1989年に来日
プグリエーセの音楽のスタイル
- フリオ・デ・カロの音楽の継承者
- ジュンバと呼ばれる強烈なリズム
- 緻密で繊細なアンサンブル
- 1日16小節しか進まない、と言われた完璧主義の練習
- リズムのワープ©️小松亮太
- 曲:ラ・カチーラ (オスバルド・プグリエーセ楽団、1952年録音)
- エドゥアルド・アローラス作曲
- 1950年代の名演のひとつ
- 作曲者としても多くの佳曲を残す
- 曲:ラ・ベーバ (オスバルド・プグリエーセ楽団、1972年録音)
- 1940年代の作品で、ベイビーの意味
- 娘の愛称がベバ
- 娘の誕生以前に作った「アマルグーラ (苦悩)」という曲を改題して娘に捧げた
- 1972年のこの録音はかなり辛口の編曲
プグリエーセとピアソラ
- ピアソラ1982年来日時のインタビューでプグリエーセについて聞かれて「私は彼を聴くと熱くなる。昔も今も、いつまでも。プグリエーセは前衛ではない。伝統派だ。しかし今日に生きている伝統派だ」 (参考:[1983.01]アストル・ピアソラ インタビュー[初来日インタビュー]- e-Magazine Latina)
- プグリエーセは「ノニーノ」「マロン・イ・アスール」等のピアソラ作品をいち早く取り上げていた
- ブエノスアイレス八重奏団のメンバーはリハーサルをプグリエーセに聴かせて、これがタンゴか否かの意見を求めた
- オラシオ・マルビチーノ曰く「プグリエーセがそれを認めたとき、みんなは興奮して、とても幸せな気分だった」(ピアソラ その生涯と音楽 p.79)
- 曲:ラ・ジュンバ~アディオス・ノニーノ (オスバルド・プグリエーセ楽団、アストル・ピアソラ六重奏団、1989年録音)
- オランダ、アムステルダムでのプグリエーセとピアソラの共演
- ラ・ジュンバが終わったところからのヘラルド・ガンディーニのピアノが聴きもの
- ピアソラ六重奏団の第二バンドネオン、ダニエル・ビネリは1960年代末~70年代にプグリエーセ楽団に在籍していた
音源
いつものように Spotify のプレイリストにまとめましたが、3番目にかけた「ラ・ジュンバ~アディオス・ノニーノ」は Spotify になかったので1950年代の「ラ・ジュンバ」を入れてあります。その後は放送ではかけなかった曲で、「スム」はピアソラの楽曲のプグリエーセ楽団による大胆なアレンジ、「ラ・マリポーサ」はプグリエーセ楽団最良のレパートリーのひとつです。最後の「ラ・ベーバ」は本来の甘さを生かしたフランチーニ=ポンティエル楽団の演奏。
上に入れられなかった「ラ・ジュンバ~アディオス・ノニーノ」が YouTube にありました。こちらは音源のみの完全版。
こちらは映像付き。アディオス・ノニーノの途中がカットされていますが、感動的なステージをぜひ観てください。
放送後
Marcy さんによるツイートのまとめ。貴重な情報もたくさんありますのでこちらもぜひ!
Tango en Tokio 6/6(日)第32回放送分ツイートまとめ
という訳で、次回もよろしくお願いします!
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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