ラズパイ NAS に DLNA 入れてみた
目次
はじめに
冬休みの自由研究~ラズパイで遊ぶ その4・NAS 運用開始編 で述べたとおり、Raspberry Pi 4B にインストールした openmediavault (以下 OMV) で NAS を構築して運用を開始したわけですが、同ページの最後で今後について
- メディアサーバとしての機能向上
- DLNA 対応?
という項目を挙げました。今回これにトライしました。
なぜ DLNA?
スマホからはファイルマネージャー+で NAS に置いた音楽は聴けるようになったものの、実際に使ってみるといろいろ不満も出てきました。一番大きいのが、フォルダ名、ファイル名ベースでしかブラウズできないということ。音源のファイルにはアーティスト名、アルバム名、曲名等のメタデータが入っているのですが、ファイルを開くまではその内容がわかりません。ファイルマネージャとしてはもちろんそれで十分なのですが、私としては一般的な (スマホに入れたファイルを扱う) 音楽再生アプリなのようにアーティスト、アルバム、楽曲等切り口を変えてブラウズしたいのです。
また、一部のファイルではファイル名に楽曲名が入っていないものもあります。例えば下の例はレコードから取り込んだアルバムで、メタデータは手作業で入れたもののファイル名は取り込みアプリのデフォルトのままです。こうなると再生してみるまで曲名がわからないということになってしまいます。
これは SMB/CIFS でフォルダやファイルを共有している限りやむを得ないことで、仮にクライアントで対応しようとしたらいちいち全ファイルをスキャンしてメタデータを取得し、結果をデータベースに入れておくようなことをしなければならなくなります。
で、ここで DLNA の登場です。DLNA というのは Digital Living Network Alliance の略で、家庭内ネットワークで機器間を接続するためのガイドラインです。下記ページに概要がありますので参照してください。
- DLNAとは?DLNAでできることや基本機能とおすすめ対応機種 (AllAbout)
- Digital Living Network Alliance (Wikipedia)
- DLNAとは-概要/DLNA対応機器/DLNA対応ソフト- (Lanhome)
DLNA ではサーバ (DMS) からクライアント (DMP) がコンテンツの一覧を取得したり、サーバにあるコンテンツを検索したりする仕組みが整っていますので、上に書いたことができるようになる可能性があります。
OMV を DLNA に対応させる
という訳で早速やってみることにしました。幸い OMV には minidlna というプラグインがありますので、これをインストールすれば OK です。以下手順です。
PC のブラウザで OMV の Web 管理画面にアクセスし、「システム」を開きます。
「プラグイン」を開いて右上の検索入力に dlna と入力すると minidlna プラグインが見つかります。
インストール前にスクリーンショットを取り損なったので上記は既にインストールされた状態ですが、左上の虫眼鏡とゴミ箱に挟まれた下矢印アイコンがインストールボタンです。これをクリックするとサブウィンドウが開いてインストール過程が表示されます。
最後、OMV の再起動を待っているようなメッセージ (文言を忘れました😅) で画面が止まり若干戸惑いましたが、右下の「閉じる」が有効になればインストールは完了していますので、サブウィンドウを閉じます。
左のメニューから「サービス」を選択すると 「MiniDLNA」 が追加されています。
私の場合、クリックしたら初回はエラーになってしまいましたが、ブラウザでリロードを行ったら表示されるようになりました。
まず「設定」を開き、「有効」にチェックを入れます。他は今回はデフォルトのままとしました。
右下にある「保存」をクリックします。
画面上方に設定を反映するかを問う表示が出るので、チェックマークをクリックします
次に 「MiniDLNA」 の「共有」を開いて共有するフォルダの設定を行います。
左上の+が追加ボタンなのでクリック。
Shared folder の行で DLNA として共有するフォルダを設定します。新規の共有を作成する場合は右端の+をクリックするとストレージの共有フォルダ作成に飛ぶので、そちらで作成してから改めてこの画面に戻ります (既存の共有を使用する場合はこの過程はスキップ)。下向き三角をクリックすると候補が現れるので、DLNA として共有するフォルダを選択して保存をクリック。
再度画面上端で設定反映を問われるのでチェックマークをクリック。以上で OMV に DLNA 機能が追加されました。
クライアントからアクセスして動作確認
長くなったので、スマホの DLNA 対応プレーヤーアプリについては稿を改めますが、一応ちゃんと繋がってることだけ示しておきます。BubbleUPnP for DLNA/Chromecast のライブラリ選択画面で候補に今回立ち上げたサーバが表示されています。
アルバム一覧も表示され…
あ、家族がリッピングしたのも入ってるのでなかなかシュールな並び😅 一番下の文字化けもちょっと気になります…が、ともかく楽曲の再生が可能になりました。
余談ですがこれ、スティングの名盤 “Nothing Like The Sun” のスペイン語版ミニアルバムです。良いですよー。
という訳で、無事 DLNA サーバが立ち上がりました。次回は上記の BubbleUPnP について書こうと思います。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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“ラズパイ NAS に DLNA 入れてみた” に対して2件のコメントがあります。