スペインとブラジルの美しくもスリリングな出会い~チャノ・ドミンゲス、ルベン・ダンタス、アミルトン・ヂ・オランダ “Chabem”
チャノ・ドミンゲスって最近まで名前だけ知ってて全然聴いたことがなかったのです。スペインのピアニストで、ラテンジャズ、フラメンコジャズを手掛ける鬼才とのこと。
はい、またもや Spotify にまんまと引き込まれました。
今回耳にしたのはこの曲。題名の意味は「スペイン奇想曲」でしょうか。めちゃめちゃかっこ良くて美しい。
共演のルベン・ダンタスはブラジル出身のパーカッション奏者で、パコ・デ・ルシアのセクステットのメンバーでした。今でこそカホンってかなり色々なところで使われるようになってますが、元々アフロ・ペルーのパーカッションだったものをパコが1970年代末に使うようになったのが世界的に知られるようになったきっかけだったと思います。そのカホンを叩いていたのがこの人です。ブラジル人とはいえ40年以上もフラメンコとの関わりを持っているわけで、スペイン音楽を熟知している存在と言えるでしょう。
そしてもうひとりの共演者、アミルトン・ヂ・オランダはやはりブラジル出身のバンドリン奏者。この人のことは全然知らなかったのですが、素晴らしいですね。バンドリンはブラジルのショーロ等で使われるマンドリンに似た弦楽器で、アミルトンはこのバンドリンでショーロに限らずジャズ等様々な音楽を演奏するミュージシャンのようです。上の “Capricho de Espanha” は彼の作品です。
という訳で、スペインとブラジルの美しくもスリリングな出会いが成し遂げられたこのユニット、アルバムはこちらです。
2曲目はチック・コリアに捧げた曲でしょう。5はファンキーでブルージーな雰囲気と言って差し支えないでしょうね。後半には比較的メロウな曲が集まっています。11はピシンギーニャの美しいショーロでシルビア・ペレス・クルスの歌入り。
でも個人的にはやはりスリリング系が好きなんです。パコ・デ・ルシアの6なんてたまらないものがあります。そういう意味でも、出会えてよかった!と言えるアルバムです。
オマケで上述の6のシルヤブ、パコの演奏を貼っておきます。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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