挾間美帆 & デンマークラジオ・ビッグバンド (2022/11/13 東京・池袋 東京建物ブリリアホール)
大きな編成のバンドの響きが好きです。多くの楽器が重なり合って創り出す和音の響きとグルーヴには何物にも代えがたい魅力を感じます。クラシックのオーケストラ、タンゴのオルケスタ・ティピカ、大人数のロックバンド、ラテンやブラジルのブラスアンサンブル…そしてもちろんジャズのビッグバンド。思い返せば初めて生で聴いたジャズは1978年のカウント・ベイシー・オーケストラの来日公演だったはずです。
一方で、そのようなコンサートにはそれほどたくさん行っているわけではありません。特にジャズのビッグバンドは本当に数えるほど。
そんなわけで、挾間美帆さんが首席指揮者を務めるデンマークラジオ・ビッグバンドの来日はとても楽しみにしていました。既に挾間さんの音楽には何度か生で触れる機会があってすっかりファンになっている上、弦楽器の加わらないトラディショナルなビッグバンドとの共演は初めて。しかもそのバンドが長い歴史を誇る世界的にも屈指のバンドなのですから。
さて当日。まずは空間的な広さを持って押し寄せる音と、その音に自分の身体が共鳴する感覚をとても嬉しく受け止めました。その迫力、音圧、スイング感はビッグバンド・ジャズならでは。そしてそこにコンテンポラリージャズのスリルや遊び心が加わります。誰もが知っている ”Sing, Sing, Sing” はバンドの前首席指揮者ジム・マクニーリーの編曲により見事にひねくれていて、これで踊ったら脚が絡まりそう。挾間作品も変拍子や複雑なコード進行がいっぱいで、面白いことこの上ない!ビッグバンドというトラディショナルなフォーマットがアップデートを重ね、重層的な構造を持つ最新バージョンに到達した、という印象のコンサートでした。
ちなみにこの日は挾間さんの誕生日ということで、アンコールでは突然メンバーがハッピーバースデイを演奏、客席も入場時に配られたうちわを振ってお祝いしました。
挾間美帆 & デンマークラジオ・ビッグバンド
日時:2022年11月13日 16:00〜
場所:東京・池袋 東京建物ブリリアホール 豊島区芸術文化劇場
演奏曲目:
【第1部】
- I Said Cool, You Said…What?
- Sing, Sing, Sing
- Song Sing Sung
- Your Scenery Story
- The Farewell
【第2部】
- Mingle Mangle Goodie Bag
- Mo-Lasses
- Jim’s Suite 4th and 5th movements
- Green
- On That Side
【アンコール】
- Mimi’s March
演奏:
演奏曲目は自身のメモとコンサート公式サイトの News ページを参考にしました。第2部の3曲目は公式サイトのセットリストの表記から “Jim’s Suite” としましたが、コンサートの中では「デンマークラジオ・ビッグバンドの前の首席指揮者ジム・マクニーリーがバンドに捧げて書いた組曲の第4、5楽章」と紹介されていました。
ちなみに下の映像は、挾間美帆さんがバンドの首席指揮者に就任した際のバンドメンバーによる空港での出迎えシーンです。見ている方も幸せになる映像です。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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なんと挾間さんの名前を挟間さんと間違えていました。修正しました。