Viaje de Tango vol.20 オラシオ・マルビチーノ (黄金時代を経験した現代の巨匠シリーズ)
2022年11月20日に放送された「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の中のコーナー「吉村俊司の Viaje de Tango」の事前メモ公開です。この日は「黄金時代を経験した現代の巨匠」の5回目で、オラシオ・マルビチーノの特集でした。
目次
オラシオ・マルビチーノ Horacio Malvicino
略歴と楽曲です。
- 1929年10月20日 エントレ・リオス州コンコルディア生まれ (93歳)
- 6歳からクラシックギターを学ぶ
- 友達を通じてジャズに触れる
- ギタリストのジャンゴ・ラインハルトやチャーリー・クリスチャン、クラリネット奏者のベニー・グッドマン等
- 1947年ブエノスアイレスに上京、薬学を学ぶ
- この頃アストル・ピアソラ楽団 (1946年のオルケスタ) の演奏にも触れる
- やがてアルゼンチンのモダンジャズ黎明期の一員に
- Bop Club Argentino にて演奏
- 1955年、アストル・ピアソラの《ブエノスアイレス八重奏団》に参加
- ピアソラはジャズの即興ができるギタリストを求めてマルビチーノを見出だしスカウト
- タンゴに初めてエレキギターを導入
- 【曲】A fuego lento ア・フエゴ・レント / ブエノスアイレス八重奏団
- ピアソラが唯一演奏したサルガンの作品
- 後半にジャズ的なソロ回し
- 以後ピアソラとは彼の最後のグループまで長く共演
- 他にピアソラと共演したギタリストはオスカル・ロペス・ルイス、カチョ・ティラオ
- ピアソラは、マルビチーノが最もピアソラのやりたいことを理解していた、何故なら彼はタンゲーロだから、と語っている
- 1960年代以降はギタリスト、アレンジャー、プロデューサーとして様々なジャンルで活躍
- 【曲】Caravana キャラバン / オラシオ・マルビチーノ・ジャズ・キンテート
- 1960年代
- 彼の本来のフィールド
- 【曲】Silueta porteña シルエタ・ポルテーニャ / ロス・ムチャーチョス・デ・アンテス
- 1958年結成、この曲は同年の録音
- ジャズのクラリネット奏者パンチート・カオ、コントラバス奏者アルド・ニコリーニとの復古調タンゴトリオ
- 【曲】Solo Bailo Samba ソロ・バイロ・サンバ / オラシオ・マルビチーノ
- 1968年録音 “The Brazilian Touch of Malvicino” より
- 【曲】La cumparsita / アラン・ドブレーとシャンゼリゼ・オーケストラ
- 1970年頃、RCA ビクターのディレクターだった際に、フランス RCA からの要請で録音したのが発端
- 2年後にアルゼンチンで、とある製品のテレビキャンペーンのオープニングにこの録音が使われ、レコード店から問い合わせが殺到してレコードをリリース
- イタリア系のマルビチーノという名前がマッチしないということで、レーベルは俳優のアラン・ドロンと作家、哲学者、評論家のレジス・ドブレーの名前を合体させたアラン・ドブレーという名前を使用
- シングル盤は26か国でリリースされ200万枚以上売れたが、実はアルゼンチン人が演奏しているとわかった途端に売り上げは激減したそう
- とはいえその後もこの名前でアルバムもリリース
- 【曲】Concierto para bandoneón 1er movimiento バンドネオン協奏曲 第1楽章 / フェデリコ=マルビチーノ=セバスコ
- 1995年録音のレオポルド・フェデリコ、アダルベルト・セバスコとのトリオ
- 2003年に一部の曲にドラムス (エンリケ・ロイスネル) を加えて再リリースされている
- この曲はマルビチーノの作品
- その後も様々な録音で演奏、昨年のピアソラ生誕100年を記念したコロン劇場でのコンサートでも五重奏で演奏
音源
Spotify のプレイリストにまとめました。最後のバンドネオン協奏曲は、放送でかけたトリオバージョンはサブスクに上がっていないので、エンリケ・ロイスネルのドラムスが加わったバージョンを入れてあります。
という訳で
いつものお知らせです。月額550円で「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の過去アーカイブが聴き放題となる番組サポーターシステムがあります。1か月のみのお試しも可能ですので、ぜひご検討ください。詳しくは下記をご参照ください。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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