Viaje de Tango vol.21 ロドルフォ・メデーロス (黄金時代を経験した現代の巨匠シリーズ)
2022年12月11日に放送された「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の中のコーナー「吉村俊司の Viaje de Tango」の事前メモ公開です。この日は「黄金時代を経験した現代の巨匠」の6回目で、ロドルフォ・メデーロスの特集でした。
目次
ロドルフォ・メデーロス Rodolfo Mederos
略歴と音源に関するメモです。
- バンドネオン奏者、作編曲家、楽団指揮者
- 1940年3月25日ブエノスアイレス生まれ
- 12歳からバンドネオンを学ぶ
- 1955年、15歳でコルドバ市に移住、当地のエドゥアルド・バルバージョ楽団に参加
- トロイロスタイルのタンゴを演奏する楽団だったらしい
- その頃ピアソラを聴いて強い影響を受け、1956年に自身の最初の四重奏団、1960年に≪オクテート・グアルディア・ヌエバ≫を結成して演奏活動を行う一方、コルドバ大学で生物学を学ぶ
- 1965年コルドバを訪れたピアソラがメデーロスの演奏を聴いて感銘を受け、ブエノスアイレスに上京して演奏活動に専念するよう助言
- 同年四重奏で最初のレコードを録音
- 1969年オスバルド・プグリエーセ楽団に参加、フアン・ホセ・モサリーニ、ダニエル・ビネリと出会う
- 【曲】Zum スム / オスバルド・プグリエーセ楽団
- 作曲:アストル・ピアソラ
- 1973年録音、メデーロスの編曲
- 並行して1970年にモサリーニとビネリが≪キンテート・グアルディア・ヌエバ≫を結成、メデーロスは編曲を提供
- バンドネオンx2、エレキギター、エレキベース、ドラムス
- 1973年にメデーロスが≪ヘネラシオン・セロ≫を結成
- バンド名は「ゼロ世代」を意味する
- バンドネオンx3、フルート/サックス、エレキベース、ドラムス (以後変更あり)
- タンゴの要素は皆無なジャズ・ロック路線
- 【曲】Generación cero ヘネラシオン・セロ / ヘネラシオン・セロ
- 作曲:ロドルフォ・メデーロス
- 1973年に録音された彼等の最初のアルバムより (リリースは1976年)
- バンドネオンとサックスの響きがちょっとブラスロックを想起させる気がする (Blood, Sweat & Tears “Spinning Wheel” 等)
- 1974年にはプグリエーセ楽団を脱退、ヘネラシオン・セロやソロ名義でジャズ・ロック、フュージョン路線の活動を継続
- 日本でも実はプログレッシブロックの一部のファンの間で彼のレコードが高く評価されている
- 【曲】El marne エル・マルネ / オラシオ・サルガン楽団
- 作曲:エドゥアルド・アローラス
- 次のメデーロスのバージョンの前の比較用
- 【曲】El marne エル・マルネ / ロドルフォ・メデーロス
- 1986年公開のウーゴ・サンティアゴ監督の映画 “Las veredas de saturno” (土星の歩道 ?) のサウンドトラックより
- アコースティックな編成ながら非常に過激に古典の名曲を解体
- 1990年代に入ると、一転してタンゴに回帰
- ギターとのドゥオ、ピアソラ型の五重奏団、オーケストラとの共演等
- 1995年にはクラシックのピアニスト/指揮者ダニエル・バレンボイムとコントラバス奏者エクトル・コンソーレとのトリオでも録音
- 後進の教育にも取り組み、オルケスタ・ティピカを結成
- 【曲】El abrojito エル・アブロヒート (小さなアザミ) / ロドルフォ・メデーロス楽団
- 作曲:ルイス・ベルンステイン
- オルケスタ・ティピカによる2006年のアルバムから
- 2016年には突然来日して公演
- 昨年のピアソラ生誕100周年を記念したコンサートシリーズでも演奏
- 現在はアルマンド・デ・ラ・ベガのギター、セルヒオ・リバスのコントラバスと共にトリオで演奏
- 【曲】El día que me quierras 想いの届く日 / ロドルフォ・メデーロス
- 作曲:カルロス・ガルデル、作詞:アルフレド・レ・ペラ
- バンドネオンと弦楽オーケストラによる2005年のアルバムから
- 前半のバンドネオンソロで彼の音色の美しさを堪能できる
音源
いつものように Spotify のプレイリストにまとめました。3曲目はメモにもある通り4曲目との比較用で、メデーロスと直接の関係はないトラックです。
参考
2022年11月に公開されたインタビュー記事です。私は機械翻訳で英訳して読みました。映像の埋め込みや音源のプレイリストもありますので、内容がよくわらなくても楽しめると思います。
という訳で
いつものお知らせです。月額550円で「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の過去アーカイブが聴き放題となる番組サポーターシステムがあります。1か月のみのお試しも可能ですので、ぜひご検討ください。詳しくは下記をご参照ください。
次回の Viaje de Tango は2月19日。メモはあと1回分残っています。放送までに間に合うか!?
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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