Viaje de Tango vol.24 最近気になるアーティスト特集 その2
2023年3月26日に放送された「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の中のコーナー「吉村俊司の Viaje de Tango」の事前メモ公開です。この日は前回に続いて「最近気になるアーティスト特集 その2」でした。この日もタンゴアーティストではない人が中心の内容になりました。
目次
楽曲とアーティスト
【曲】Por una cabeza 首の差で / Marcelo Esquiaga feat. Kevin Johansen
- マルセロ・エスキアーガは「アルゼンチン音響派」と呼ばれる一派の流れを汲むキーボード奏者、シンガーソングライター
- 特にタンゴとは交わらない作品を発表してきたが、2016年にガルデル作品集をリリース、これはその中の一曲
- アルバムでは全曲異なるゲストミュージシャンが参加
- この曲でフィーチャーされているのは米国人の父とアルゼンチン人の母を持つ米国アラスカ出身のシンガーソングライター、ケビン・ジョハンセン
- タンゴの香りが全くしないようなアレンジでも十分曲として成立するガルデル作品のポテンシャルの凄さと、それを見抜いたエスキアーガの慧眼
【曲】Milonga sentimental ミロンガ・センチメンタル / Delfina Cheb feat. Lautaro Greco
- デルフィーナ・チェブはブエノスアイレス生まれの歌手、作曲家、音楽研究者
- 18歳の時に奨学金を得てアメリカのバークリー音楽大学でジャズの作曲とボイス・パフォーマンスの学位を取得、ジャズと南北アメリカやバルカン半島など各地の民俗音楽を研究
- さらにニューイングランド音楽院で現代音楽アートの修士号を取得、博士課程ではタンゴと南米音楽を研究中
- 教育者としてボストン近辺で作曲に関する様々なワークショップを主宰
- 表現者としてスペインのハビエル・リモンのプロデュースのもとアルゼンチンで2枚のタンゴアルバムを録音
- この曲は2020年リリースの1枚目 ”Doce milongas de amor y un tango desesperado” (12の愛のミロンガとひとつの絶望のタンゴ) より
- バンドネオンのラウタロ・グレコも参加
- ちなみに昨年出た2枚目のアルバムは一転オーソドックスなギター伴奏スタイル
【曲】El día que me quieras 想いの届く日 / Sebastian Barbui feat. Amelita Baltar
- セバスティアン・バルブイはアルゼンチンのギタリスト、プロデューサー
- この曲は2016年にリリースされたアルバムより
- 異様にポップな「想いの届く日」
- 冒頭のフランス語の語りはアメリータ・バルタール
- バルブイはマリアーノ・ゴドイと共にバンドリカの開発にも携わっている
【曲】 Danzarín ダンサリン / Yamandu Costa, Martin Sued, Luis Guerreiro
- ヤマンドゥ・コスタはブラジルの7弦ギターの名手
- 7弦ギターは普通のギターの低音側にもう一本弦を追加したもの
- マルティン・スエーはアルゼンチン出身で現在はポルトガルで活躍するバンドネオン奏者で現在注目株
- ルイス・ゲレイロはポルトガル・ギターの名手
- ポルトガル・ギターは2本一組の弦が6組張られたギターで、ファドの重要な楽器
- 異なるギターの響きが新鮮
音源
いつものように Spotify のプレイリストにまとめました。お楽しみください。
という訳で
いつものお知らせです。月額550円で「Marcy & Magi の Tango en Tokio」の過去アーカイブが聴き放題となる番組サポーターシステムがあります。1か月のみのお試しも可能ですので、ぜひご検討ください。詳しくは下記をご参照ください。
この日の次の回は、本日2023年4月30日、既に放送を終えてしまいました。内容は下記の e-magazine LATINA の記事に関連して「春に聴きたいタンゴ特集」でした。
興味のある方はぜひサポーターになって頂いてアーカイブでお聴きください。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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