KaZZma canta GARDEL CDリリース記念ライブ (2023年4月29日 東京・雑司が谷 エル・チョクロ)
2023年のゴールデンウィーク初日、4月29日は歌手KaZZmaさんのライブに行ってきました。3月にリリースされたアルバム「カルロス・ガルデルを歌う」のリリース記念ライブです。伴奏はDuo Criolloのお二人、ギターの福井浩気さんとギタロン (低音ギター) の清水悠さん。
アルバム収録曲を中心に、各部の中盤ではそれ以外の曲も差し挟まれる、という内容。歌とギターというガルデルの時代から続く伝統を尊重しつつ様々なアイディアも盛り込み、このスタイルの褪せることのない魅力と新たな可能性を提示するものだったと思います。特に第一部3曲目「君去りし夜」ではCDでも感じたブルースの要素をさらに強め、福井さんのブルージーなソロをフィーチャー。こういうの大好きです。どの曲も最終的に編曲として譜面にまとめたのは福井さんだそうで、この若さでタンゴギターという渋い世界に真っ向取り組み新しい風を吹かせる姿勢を頼もしく感じました。
ガルデルの作品以外で取り上げられたのは、第一部ではアニバル・トロイロとオメロ・マンシによる「タンゴの下町」「南」、ホセ・バッソ楽団他で何度か来日している歌手ロサウラ・シルベストレがアルゼンチンでKaZZmaさんに楽譜を託した「ミロンガ・リンダ」、第二部ではアンヘル・バルガスの持ち歌「魔女」と、そのバルガスが作曲するもこれまで録音も実演の記録もなかった「ガルデルに捧げるタンゴ」(2022年に西村秀人さんの企画で行われたコンサート「知られざる歌のタンゴ〜歌とギターと詩と人生」で今回と同じメンバーにより初演)、そしてアンコールで「バルドサ・フロハ」。
曲間ではKaZZmaさんが歌詞の内容や曲の背景を語ってくれて、より深く曲の世界に入り込むことができたライブでした。
CDについてはこちらのレビューもご参照ください。
終演後にはDuo Criolloの新譜も購入し、お二人と少しお話することもできました。
こちらのアルバムも素晴らしい!
KaZZma canta GARDEL CDリリース記念ライブ
日時:2023年4月29日 15:00〜
場所:東京・雑司が谷 エル・チョクロ
出演者:
曲目:特記なきものはCarlos Gardel, Alfredo Le Pera作 (第二部の曲目が若干心許ないのでもし誤りがありましたらお知らせ頂けるとありがたいです)
【第一部】
- Mí Buenos Aires querido 我が愛しのブエノスアイレス
- Cuesta abajo 下り坂
- Volvió una noche 君去りし夜
- Barrio de tango タンゴの下町 (Aníbal Troilo, Homero Manzi)
- Sur 南 (Aníbal Troilo, Homero Manzi)
- Milonga linda ミロンガ・リンダ (Rosaura Silvestre, Alberto Lago)
- El día que me quieras 想いの届く日
【第二部】
- Caminito soleado 陽の当たる小道
- Melodía de arrabal 場末のメロディ (Carlos Gardel, Alfredo Le Pera, Mario Battistella)
- La bruja 魔女 (Juan Polito, Francisco Gorrindo)
- Tango a Gardel ガルデルに捧げるタンゴ (Ángel Vargas, Leopoldo Díaz Vélez)
- Soledad 孤独
- Volver 帰郷
【アンコール】
- Por una cabeza 首の差で
- Baldosa floja バルドサ・フロハ (Florindo Sassone, Julio Boccazzi, Dante Gilardoni)
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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