パブロ・シーグレル特別ワークショップ (2024/01/13 東京・日本橋 タンゴ ソル日本橋)

アストル・ピアソラ五重奏団のピアニストをつとめ、また自身のリーダー作では2018年にグラミー賞ベスト・ラテンジャズ・アルバム賞を受賞している巨匠パブロ・シーグレル。彼の特別ワークショップがタンゴ ソル日本橋で行われました。

第一部ではピアソラと出会うまでの自身の音楽歴を中心としたお話で、とても興味深いことばかりでした。自身の家系はドイツ系とイタリア系であること (Zieglerという姓は母方のドイツ系の名前)、父親はタンゴ・バイオリニストであったこと、自身は元々はクラシックのピアニストを目指していたが、15歳で奨学金を得てこれからコンクールに出て行こうと思った矢先に恩師が亡くなり、しばらく先行きを見失ったこと、そこからジャズに出会ったこと、アドリブの面白さから作編曲に目覚めたこと、等々…。

自身の最初のカルテットはビ・バップ・スタイルで、その後トリオでクラシックとジャズを融合させた実験的な取り組みを始めたのだそうです。そのトリオの1974年に録音された非公式な音源も紹介されました。

第二部ではピアソラ五重奏団時代のこと、ピアソラが亡くなった後の自身のグループのことなどが多くの映像も交えて話され、また古典タンゴのリズムとピアソラの3-3-2のリズムのピアノによる比較・実演もありました。シーグレルがピアソラ五重奏団に加わることになったきっかけの話、メンバーになってからは毎年夏の休暇で一緒に釣りをした話、即興を取り入れたこと、ピアソラがモントルーで共演したゲイリー・バートンには即興演奏をさせず全て譜面通りに演奏させたこと等、いつまでも聞いていたい話ばかり。本人も話し出すと止まらず、通訳を務めた志和雅恵さんが度々止めようと合図を送っても構わず話し続ける、といった場面も何度かありました。

最後はシーグレルと志和さんのピアノ連弾による「ミロンゲータ」の演奏で締め括り。息の合った素晴らしい演奏でした。

数々の貴重なお話をご紹介くださったマエストロ・パブロ・シーグレル、的確に通訳してくださった志和雅恵さん、このような会を主催してくださったタンゴ ソル日本橋の皆様、どうもありがとうございました。

ちなみに終わったあとは写真撮影&交流タイムだったのですが、シャイなワタクシは (え?) 写真を撮りそこねました。画像が何もないのも寂しいので、旧作の中から彼の顔が写っているジャケット写真を貼っておきます。

Pablo Ziegler Quintet for New Tango (1999)

パブロ・シーグレル特別ワークショップ

日時:2024年1月13日 11:00〜

場所:東京・日本橋 タンゴ ソル日本橋

出演者:

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