ミシェル・ンデゲオチェロ (2024/02/13 東京・六本木 ビルボードライブ東京)
何と言ったら良いのか。深く広い音楽でした。月並みな言い方だけど宇宙を感じました。
ミシェル・ンデゲオチェロは来日したら何を置いてもライブに行きたいミュージシャンのひとりです。昨年は迂闊にも情報を見逃していて行けなかったのですが、今年はしっかり行ってきました。ビルボードライブ東京での公演2日目、2月13日(火)の1stステージです。席についた時はまだ空も明るく、これまで遅い時間にしか来たことがなかったのでちょっと新鮮でした。
定刻の18時きっかりにメンバーが登場。最後に観た2019年はシンプルな4人編成でしたが、今回はサポートベーシスト、男性ボーカルを含む6人編成で、ミシェルはキーボードの前の椅子へ。結局演奏中は一度も立たず、ベースを弾くときも椅子に座ったままでした。冒頭2曲を経てその後は新作 “The Omnichord Realbook” からの楽曲が中心に。派手さのないシンプルな演奏ながら、重く深く広い音がフロアを満たします。
中盤で演奏されたのが、彼女の最初のアルバム “Plantation Lullabies” に収録されている “I’m Diggin’ You”。これを演ったこと自体驚きでしたが、アコースティックギターがメインのバッキングで歌ったのも意外でした。とはいえ懐メロのアンプラグドみたいな緩い演奏ではもちろんなく、歌詞の中で繰り返される “sit back, relax” というフレーズとは裏腹の緊張感とスピード感でした。
クライマックスは新作からの “ASR”、そして2018年の前作 “Ventriloquism” に収録されていた “Atomic Dog 2017″。冒頭にも書いた月並みを繰り返しますが、宇宙を感じる音でした。暗闇の中に星の光が瞬き、真空の中を様々な素粒子が満たす空間。現実の宇宙には音なんてないはずだから私の勝手なイメージでしかないのですが、そういう空間に放り込まれたような感覚でした。音楽を聴いているという以上の何かの体験。
ラストは美しくドラマチックなバラード “The 5th Dimension”、その後アンコールで終了しました。
ミシェルはボーカル、キーボードに加え、要所ではベースも演奏。キーボードの前に座った時はベースを弾かないんじゃないかと思いましたが、思っていた以上に弾いてくれました。他に印象に残ったのはドラムスのエイブラハム・ラウンズ。彼の創り出すグルーヴは今回のバンドの要だったと思います。そしてミシェルと並ぶフロントのボーカルのジャスティン・ヒックス。素晴らしかった!
ミシェル・ンデゲオチェロ Meshell Ndegeocello
日時:2024年2月13日(火) 18:00〜 (1stステージ)
場所:東京・六本木 ビルボードライブ東京
出演者:
- Meshell Ndegeocello (vo, b, key)
- Justin Hicks (vo)
- Jebin Bruni (key)
- Christopher Bruce (g)
- Abraham Rounds (ds)
- Kyle Miles (b)
曲目:わかった分だけ。曲順もあいまいなので、少なくともこれらの曲は演奏された、というメモとして残します。
- Georgia Ave.
- Virgo
- Clear Water
- I’m Diggin’ You (Like an old soul record )
- ASR
- Atomic Dog 2017
- The 5th Dimension
アルバムを貼っておきます。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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