特別講演「タンゴって?どんな音楽なのか?」(2024/10/20 札幌教育文化会館研修室302) 使用音源・映像まとめ その1
先日お知らせしたとおり、10月20日(日) 10:00~ 札幌市教育文化会館研修室302にて講演を行いました。Sapporo Tango Festival 2024の一環のイベントです。
友人が撮ってくれた当日のワタクシ。
来てくださったのは15、6人だったでしょうか。日曜朝10時という早い時間でしたし、フェスでは他にダンスのワークショップもやっていたことを考えると御の字の参加人数です。
インスタにも書いた通り、当日はかなり曲数を詰め込んでしまったため途中カットの連続。一部は全カットになっちゃった曲もありますので、可能な範囲でここに使用音源、動画を紹介しようと思います。結構な分量になってしまったので、今回は第一部の分のみ。第二部のアルフレド・ゴビについては記事を改めます。
目次
導入でお見せした映像
最初に紹介したのはプロ社交ダンスの2016年英国オープン決勝のタンゴ。タンゴってこんなイメージだったりしませんか?
次にお見せしたのがブエノスアイレスの老舗サロン、カニングでのマリア&カルロス・リバローラによるデモ。曲はオスバルド・フレセド楽団「ディビーナ (女神)」。今回扱うのはこっちの世界ですよ、ということで。
音源プレイリスト
以後曲をかけながら諸々ご紹介しました。紹介した曲のうちSpotifyにあるものについては下のプレイリストにまとめましたのでお楽しみください。ビデオで流した曲も可能な範囲で取り込み、Spotifyにないものについては代わりを挿入しました。Spotifyを使っていない方、すみません!Apple Music等については私はアカウント持っておらず対応できませんが、曲名とアーティスト名で検索すると音源は見つかると思いますので試してみてください。
1, 2はタンゴの誕生についての解説、3~8はグアルディア・ビエハの作曲家たちの作品を後年の時代のアーティストの演奏で、9は歌のタンゴの確立、10は本格的な編曲の導入、11はミロンガ復興、12はその流れでタンゴのリズムのバリエーションとしてのバルス (ワルツ)、13はフアン・ダリエンソの電撃のリズム、14~18は第二期黄金時代のタンゴ、19~21は黄金時代の終焉とピアソラの革命、22はもう一人の革命家ロビーラ、23~25は小編成の時代、26, 27は2000年頃からの新しい動き、28, 29は今日のタンゴ、という流れで紹介しました。
- La paloma ラ・パロマ (Sebastian Yradier) / Libertad Lamarque リベルタ・ラマルケ
(初期のタンゴのベースとなったハバネラの紹介のためにかけた曲で、たまたまタンゴ歌手のバージョンですが本来スペインの曲です) - Bartolo バルト―ロ (F. A. Hargreaves) / Tango Tres タンゴ・トレス
(当日はカルロス・ガルシーア タンゴ・オールスターズの演奏をかけましたが、サブスクにはないのでこちらで) - Adiós Buenos Aires さらばブエノスアイレス (Eduardo Arolas) / Eduardo Arolas y su orquesta エドゥアルド・アローラス楽団
- La cumparsita ラ・クンパルシータ (Geraldo H. Matos Rodrígues) / Jose Basso y su orquesta típica ホセ・バッソ楽団
- Gallo ciego 盲目のおんどり (Agustin Bardi) / Osvaldo Pugliese y su orquesta típica オスバルド・プグリエーセ楽団
- Ojos negros 黒い瞳 (Vicente Greco) / Osmar Maderna y su orquesta típica オスマル・マデルナ楽団
- El amanecer 夜明け (Roberto Firpo) / Néstor Marconi Octeto de Buenos Aires ネストル・マルコーニとオクテート・デ・ブエノスアイレス
- El internado インターン (Francisco Canaro) / Juan D’Arienzo y su orquesta típica フアン・ダリエンソ楽団
- Mi noche triste わが悲しみの夜 (Samuel Castriota, Pascual Contursi) / Carlos Gardel カルロス・ガルデル (1930年の再録音)
- Mala junta 悪い仲間 (Julio De Caro, Pedro Laurenz) / Julio De Caro y su orquesta típica フリオ・デ・カロ楽団 (1927年録音)
- Milonga sentimental ミロンガ・センチメンタル (Sebastian Piana, Homero Manzi) / Francisco Canaro y su orquesta típica, Ernesto Famá, Ángel Ramos フランシスコ・カナロ楽団、歌:エルネスト・ファマー、アンヘル・ラモス (1933年録音)
- Corazón de oro 黄金の心 (Francisco Canaro, Jesus Fernandez Blanco) / Ada Falcón, Francisco Canaro y su orquesta típica アダ・ファルコン 伴奏:フランシスコ・カナロ楽団 (1930年録音)
- Don Alfonso ドン・アルフォンソ (Eladio Blanco, Héctor Varela) / Juan D’Arienzo y su orquesta típica フアン・ダリエンソ楽団 (1945年録音、下の映像と同一曲のスタジオ録音)
- Toda mi vida わが人生の全て (Aníbal Troilo, José Maria Contursi) / Aníbal Troilo y su orquesta típica, Fiorentino アニバル・トロイロ楽団 歌:フィオレンティーノ (1941年録音)
- Entrador 闖入者 (Mario Demarco) / Osvaldo Pugliese y su orquesta típica オスバルド・プグリエーセ楽団 (1952年録音)
- Cómo los nardos en flor ナルドの花のように(Teófilo Lespés, Mario Lespés, Eduardo Viera) / Carlos Di Sarli y su orquesta típica カルロス・ディ・サルリ楽団 (1951年録音)
- Canción para un breve final カンシオン・パラ・ウン・ブレベ・フィナル (Armando Pontier, Homero Expósito) / Francini-Pontier y su orquesta típica, Roberto Rufino フランチーニ=ポンティエル楽団、歌:ロベルト・ルフィーノ (1948年録音、下の映像と同一曲のスタジオ録音)
- Taquito militar 軍靴の響き (Mariano Mores) / Mariano Mores マリアーノ・モーレス楽団 (下の映像とは異なるスタジオ録音)
- Marrón y azul 栗色と青 (Astor Piazzolla) / Octeto Buenos Aires ブエノスアイレス八重奏団 (1957年録音)
- Tres minutos con la realidad 現実との3分間 (Astor Piazzolla) / Astor Piazzolla, su bandoneón y su orquesta de cuerdas アストル・ピアソラと弦楽オーケストラ (1957年録音)
- Fracanapa フラカナパ (Astor Piazzolla) / Astor Piazzolla y su quinteto “nuevo tango” アストル・ピアソラ五重奏団 (1963年録音、下の映像とは異なるスタジオ録音)
- A Evaristo Carriego エバリスト・カリエゴに捧ぐ (Eduardo Rovira) / Eduardo Rovira y su nueva agrupación de tango moderno エドゥアルド・ロビーラと新現代タンゴ集団 (1966年発表、当日かけた “Sónico” のかわりに選曲、”Sónico” は下の映像で)
- El arranque エル・アランケ (Julio De Caro) / Néstor Marconi ネストル・マルコーニ (2001年発表、当日かけたバングアトリオの “Mano brava” のかわり)
- El bulín de la calle Ayacucho アヤクーチョ通りの小部屋 (José y Luis Servidio, Celedonio Esteban Flores) / Trio Federico-Berlingieri-Cabarcos トリオ・フェデリコ=ベリンジェリ=カバルコス (1972年録音)
- A fuego lento とろ火で (Horacio Salgán) / Nuevo Quinteto Real ヌエボ・キンテート・レアル (カルロス・サウラ監督の1998年の映画『タンゴ』のオリジナルサウンドトラックより、下の映像は同映画より)
- La llamo silbando 彼女を口笛で呼ぼう (Horacio Salgán) / Orquesta Escuela de Tango Emilio Balcarce エミリオ・バルカルセ・タンゴ学校オーケストラ (2013年発表、下の映像のかわり)
- Perfume 香水 (Luciano Supervielle) / Bajofondo Tango Club feat. Adriana Varela, remixed by Campo バホフォンド・タンゴ・クラブ feat. アドリアーナ・バレーラ
- Emancipación エマンシパシオン (Alfredo Bevilacqua) / Tango Bardo タンゴ・バルド (2023年発表、下の映像と同じ)
- Taquito militar 軍靴の響き (Mariano Mores) / Diego Schissi Quinteto ディエゴ・スキッシ五重奏団 (2018年発表、下の映像と同じ、スキッシはスキーシーとも)
映像
映像は、まず1948年の映画 “El cantor del pueblo” よりフアン・ダリエンソ楽団の「ドン・アルフォンソ」
フランチーニ・ポンティエル楽団、歌ロベルト・ルフィーノで「カンシオン・パラ・ウン・ブレベ・フィナル」。1948年。
1953年の映画 “La voz de mi ciudad” (我が街の声) よりマリアーノ・モーレスの「タキート・ミリタール (軍靴の響き)」
1973年のテレビ番組 ”Sábados de tango” (タンゴの土曜日) よりアストル・ピアソラ五重奏団の「フラカナパ」
1968年録音のエドゥアルド・ロビーラと現代タンゴ集団による 「ソニコ (音速で)」。講演当日かけた音源と同じです。チャンネルサブスクライブのアイコンが度々効果音とともに出てくるのが邪魔ですが、ロビーラの息子による公式なアップロードなのでご容赦のほど。
映画『タンゴ』よりヌエボ・キンテート・レアル「とろ火で」。
エミリオ・バルカルセ・タンゴ学校オーケストラ (オルケスタ・エスクエラ・デ・タンゴ・エミリオ・バルカルセ) による「心のすべて」(フリオ・デ・カロ)。2021年コロン劇場にて。
バホフォンド・タンゴ・クラブ (現在はバホフォンド) がアドリアーナ・バレーラをフィーチャーした「香水」。上の音源と同じ。
タンゴ・バルドの「エマンシパシオン」。上の音源と同じ。
ディエゴ・スキッシ五重奏団の「軍靴の響き」。上の音源と同じ。
というわけで、当日かけた音源でした。講演を聴いていただいた方は思い出しつつ、聴いていない方は内容を想像しつつ(笑)お楽しみください。第二部の分も追ってアップします。
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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