特別講演「タンゴって?どんな音楽なのか?」(2024/10/20 札幌教育文化会館研修室302) 使用音源・映像まとめ その2

Sapporo Tango Festival 2024の一環のイベントとして2024年10月20日(日) 10:00~ 札幌市教育文化会館研修室302にて講演を行いましたが、その際に使用した音源・映像まとめのその2です。その1はこちら。

当日も休憩を挟んでの第二部、テーマは「アルフレド・ゴビのタンゴ」でした。それにしても、なぜゴビなのか?その理由は以下の言葉に集約されています。

アストル・ピアソラ

私にとってアルフレドは、モダン・タンゴを創ってきた私たちみんなの父である。とても直感的だったが、高度に洗練された音楽を書いていた。

ピアソラ 自身を語る (ナタリオ・ゴリン 著、斎藤充生 訳、河出書房新社) p.98

小松亮太

ゴビこそはタンゴの原子を集大成し、タンゴというジャンルに還元した、どえらいアーティストなのである。

タンゴの真実 (小松亮太 著、旬報社) p.140

斎藤充生

アルフレド・ゴビのたとえようのない素晴らしさを、どのように書けばいいのだろう。(中略) 理論では説明不可能で、これはまさに天才的感性の賜物としか言いようがない。

タンゴ…世紀を超えて (岩岡吾郎 編、音楽之友社) p.92

というわけで、その1と同様に使用した音源をSpotifyのプレイリストにまとめました。

  1. El criollo falsificado エル・クリオージョ・ファルシフィカード (Angel Villoldo) / Alfredo y Flora Gobbi アルフレド&フローラ・ゴビ (1906年録音、古典タンゴの時代のスターだった両親の歌声で、曲は後年「エル・ポルテニート」のタイトルで知られるようになる)
  2. La viruta かんなくず (Vicente Greco) / Alfredo Gobbi y su orquesta típica アルフレド・ゴビ楽団 (1947年録音)
  3. Si sos brujo もしお前が魔術師なら (Emilio Balcarce) / Alfredo Gobbi y su orquesta típica アルフレド・ゴビ楽団 (1953年録音)
  4. El andariego 放浪者 (Alfredo Gobbi) / Alfredo Gobbi y su orquesta típica アルフレド・ゴビ楽団 (1951年録音)
  5. Redención 贖罪 (Alfredo Gobbi) / Alfredo Gobbi y su orquesta típica アルフレド・ゴビ楽団 (1964年スプレンディ放送局出演時の録音、当日かけたピアノソロは下のYouTubeで)
  6. Retrato de Alfredo Gobbi アルフレド・ゴビの肖像 (Astor Piazzolla) / Astor Piazzolla y su quinteto アストル・ピアソラ五重奏団 (1970年録音)
  7. El engobbiao ゴビに憑りつかれた男 (Eduardo Rovira) / Alfredo Gobbi y su orquesta típica アルフレド・ゴビ楽団 (1957年録音)

5曲目の「贖罪」は、当日かけたのはこちら。

YouTube投稿者によれば

Estas grabaciones ineditas fueron realizadas en una radio cuando Don Alfredo fue invitado por un amigo a probar un Piano y sin que él sepa lo grabaron.

これらの未発表録音は、ドン・アルフレードが友人にピアノを試そうと誘われ、彼の知らないうちにラジオ局で録音されたものである。(DeepL翻訳)

とのこと。別の情報によれば録音されたのは1958年らしいです。プレイリストに入れた楽団演奏はゴビが亡くなる前年のもので、ほとんど楽団は維持できていなかったはずです (ラジオのためにメンバーを集めたのでしょう)。それだけに貴重な録音と言えるでしょう。

以上、前回同様講演を聴いていただいた方は思い出しつつ、聴いていない方は内容を想像しつつお楽しみください。

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