パブリックコメント送付

CD輸入問題で輸入禁止期間を4年とすることに対する是非を問うパブリックコメントは10/13が締切だったのだが、何とか締切当日の日中にコメントを提出できたことをここに報告する。
提出から少々日が経ってしまったが、要は例によって家のPCで作業する時間がなかったのだ (提出が「日中」というあたりにも、そのぉなんといいましょうかぁ…詮策しないでね)。
で、そんな状態で書いたものなので、文章も下手なら論理も貧弱なのであるが、一応 [2004-10-03-1] に

ぜひとも1人でも多くの方がコメントを出して下さるよう、切に願うものであります。

などと書いた手前、自分が何を書いたかぐらいは公表しておこうと思う。以下が、私が今回書いたパブリックコメントの、個人情報部分を除いた全文である。

Subject: 著作権法施行令の改正に対する意見
1. 氏名及び所属(会社名・学校名等又は職業)
2. 住所及び電話番号
3. 意見
(1) 音楽レコード還流防止の「政令で定める期間」は必要最小限とすべき
還流防止措置が邦楽の保護の観点から仮に必要であるとしても、この措置の他の分野のレコードへの影響を考えると、必要最小限の期間で抑える必要があると思います。なぜなら、保護対象となるタイトル数は保護期間の長さに比例して多くなり、実際の運用にあたる税関などで必要となる手間、経費が増大してしまう可能性があるからです。
税関での経費がどこから出るのかはわかりませんが、通関の手間が増大するだけでも、レコード輸入業者の必要経費が増大し、輸入盤の価格に転嫁される可能性があります。また通関に要する時間が増大すれば、在庫管理、為替リスク回避などの観点から、輸入される盤の種類そのものが大幅に減少してしまう可能性すらあると思われます。
現在私はアルゼンチン・タンゴを中心に各国の音楽を愛好し、多くの輸入盤を購入しております。この分野では国内盤の供給が非常に少なく、また輸入経費も現状でもかなりかかるため、現在でも輸入盤価格は国内盤と比べてほとんど変わりません。法の主旨を考える限り、タンゴのCDが直接輸入権行使の対象になる可能性は低いのかもしれませんが、輸入盤価格の上昇、あるいは購入するレコードの種類の減少、というような間接的な形で今回の政令の影響を受けることになってしまったら、非常に残念でなりません。
現在の邦楽アーティストの中には広く世界の音楽から影響を受けて自らの音楽性を高めている人達も多くいるように見受けられます (その中でタンゴがどの程度の影響力を持っているかは不明ですが…)。彼等もおそらくは、多くの輸入盤を聴いてきたことでしょう。必ずしも売れ筋ではないかもしれないけれども、邦楽界のこのような豊かな広がりをこれからも維持するためにも、必要最小限の環流防止期間を設定して下さるよう切に望みます。
(2) 具体的には6ヶ月以下が適切
上記の「必要最小限の期間」について、具体的な長さを検討してみます。
オリコンなどのデータから明らかな通り、還流防止の本来の目的である邦楽レコードの保護という観点に立つと、対象となるほとんどのレコードは2ヶ月程度、長くても発売後6ヶ月程度で総売上げの90%程度を売り上げているようです。この期間に安価な還流盤が入らないようにすれば、法の本来の目的は十分達せられると考えます。
ちなみに、日本の各レコード会社が設定する時限再販期間は6ヶ月が一般的です。これは、各社がレコードの商品価値を維持できる期間がこの程度であると認識している一つの傍証になるのではないかと思います。
また、これ以上経過した商品については、逆に低価格の環流盤が新たな需要を喚起することすら可能ではないか、とも考えられます。
(3) 法律の施行の際現に発行されているものについて、当該施行の日(平成17年1月1日))から起算するのは不当
既に発行されているレコードの保護期間を政令施行日から起算する理由は全くわかりません。一律保護対象から外しても構わないとすら思いますが、最低でも施行日からではなく発行日から起算すれば十分ではないでしょうか。
以上、切に要望する次第です。よろしくお願い致します。

以上。今回は、既に国会で可決された著作権法の改正内容そのものの是非に関しては議論の対象外であると判断し、「保護期間が長すぎれば輸入禁止とならないような輸入盤にも影響を及ぼす可能性がある」ということを訴える内容とした。ご意見など賜りたく。

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