大岩祥浩さん
せっかくのクリスマスイブながら、悲しいお知らせ。
アルゼンチンタンゴ研究の第一人者、大岩祥浩さん死去 (asahi.com)
大岩 祥浩さん(おおいわ・よしひろ=アルゼンチンタンゴ研究家)が22日、間質性肺炎で死去、81歳。葬儀は親族のみで行い、後日お別れ会を開く予定。喪主は妻千鶴子さん。
アルゼンチンタンゴ研究の日本での第一人者。著書に「アルゼンチン・タンゴ〜アーティストとそのレコード」などがある。
私が今日タンゴについて少しばかり知ったようなことを書いたりできるのは、間違いなく大岩祥浩さんのおかげである。
といっても直接にはほとんどお話したことはない。子供の頃(1970年代)、NHK-FMで毎週「ラテン・タイム」という番組があって、週ごとに違うジャンルのラテン音楽がかかっていたのだが、月1回のタンゴの担当が大岩さんだった。大体、最初に小編成の演奏を紹介し、その後「古き佳き時代のレコード」のコーナーで1920年代ごろのSPを数曲、それから大編成の曲を紹介、という流れだったと思う。タンゴを知ったばかりの私が、自分にとって聴きやすいダリエンソやトロイロだけでなく、ロムート、カナロ、フィルポからプグリエーセ、ピアソラまで、幅広くいろいろなタンゴに触れられたのは、本当にこの番組のおかげだった。
ある時からは、聞きかじったアーティスト名と楽曲名をめちゃくちゃな組み合わせでリクエスト葉書に書き、しばしば送ったりもしていた。一度だけリクエストが採用されたのは、フルビオ・サラマンカ楽団の「チケ」だった。
「ラテン・タイム」は程なく放送を終え、大岩さんの選曲するタンゴを聴く機会はしばらく失われた。その後は時々月刊誌「中南米音楽」(ラティーナの前身)でお名前を拝見する程度だった。
十数年前、日本タンゴアカデミーの会員になると、当時の会長は大岩さんだった。その気になればお話しする機会もあったはずなのだが、昔送っためちゃくちゃなリクエストのことを思い出すと何やら気恥ずかしく、気後れしてほとんど近寄ることが出来なかった。今思えば何とももったいないことだ。ご著書の「アルゼンチン・タンゴ〜アーティストとそのレコード」は出版されるとすぐに買い求め、今も参考にさせていただいている。
大岩さん、本当にお世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。
アルゼンチン・タンゴ―アーティストとそのレコード(大岩 祥浩)
[Posted on 2009-12-24]
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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