8月2日はカホンの日

パーカッション奏者のトミタコウスケさんがTwitter でつぶやいていました。

今やヒカキンも叩いてるカホン!(5年前の動画でしたが)。8月2日はそのカホンの日なのだそうです (ライブイベントもあったようですがそちらは見逃しました…)。

で、徒然なるままにちょっとカホンのことなど書いてみようと思います。

最近はだいぶ知られるようになったカホン。箱形のパーカッションで、上に人が座って脚の間から叩くというものです。叩く場所によって重低音から抜けの良い高音まで出る魅力的な楽器です。↑のトミタコウスケさんが演奏するとこんな感じ。

おおー、トミティかっこいい!

発祥はアフロ・ペルー

私がカホンという楽器を知ったのは、実はずいぶん昔のことでした。確か1970年代末に南米のペルーからアフリカ系 (アフロ・ペルー) のミュージシャンが来日したことがあって、購読していた雑誌「中南米音楽」(ラティーナの前身) にその特集記事が掲載されました。その中でアフロ・ペルー特有のパーカッションとして紹介されていたのがカホンでした。

木箱に座って叩く、というシンプルさがとても印象的でした。実際にそのコンサートに行ったわけではないので当時は音を聴くことはできませんでしたが、アフロ・ペルーの音楽というのは例えばこんな感じのようです。

カホンとフラメンコの出会い

私が実際にカホンの音を聴いたのはそれから数年後、1981年のライブ・アンダー・ザ・スカイに出演したパコ・デ・ルシアのセクステットの演奏でした。と言っても現地で観た訳ではなく NHK-FM の生中継を聴いていたのですが。解説の方が、珍しいパーカッションとしてカホンのことを紹介していたことを覚えています。

それにしてもなぜフラメンコにカホンなのでしょうか。それについてはパコ自身がドキュメンタリー映画の中で語っています。下の映像がそれ。パコがセクステットのツアーでペルーを訪れたときに、有名な歌手チャブーカ・グランダと共演していた黒人パーカッション奏者がカホンを叩いているのを見て気に入った、というようなことが語られているようです (過去に日本語字幕付きでこの映画を観た際の記憶や他のサイトの記述、聞き取れた固有名詞等から推測)。

それまでパコはコンガやボンゴ等の革系のパーカッションを使っていました。有名な「二筋の川」の映像でもコンガ、ボンゴが使われています。

しかし、カホンと出会って以降は革系パーカッションは少なくともメインで使われることはほとんどなくなったように思います。

下の映像はパコとカホン二人。真ん中で叩いているルベン・ダンタスは1981年の来日時のメンバーでもありました。

上のドキュメンタリー映像で語られているかどうかは確認できていませんが (スペイン語わかりませ~ん) 木を叩く音がフラメンコの靴音=サパテアードに近い響きなのでフラメンコとの親和性が高い、という話も聞いたことがあります。こちらはそのサパテアードとカホンの共演がフィーチャーされています。

そんなわけで、パコの音楽においてカホンはとても重要な存在となりました。そしてその事が、カホンを世界に広める大きなきっかけになったのは間違いないと思います。

いろいろな可能性を秘めたカホン

冒頭で述べたように、カホンも今はだいぶ知られるようになりました、コンパクトでシンプルながらドラムセットのような音が出せるのはひとつの魅力だと思います。フラメンコやラテン系の音楽に限らず、ポップス、ジャズ、ロック等様々な音楽でこれからも使われていくことと思います。

最後にたまたま見つけた映像。レッチリのステージでカホンもソロがフィーチャーされたりするんですね。

トミタコウスケさんのつぶやきをきっかけに書いたカホンのお話。日付は変わっちゃったし、内容もパコのことが半分以上を占めてしまいましたが…お読み頂きありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です