タンゴ映画上映会&バンドネオン・トークライブ (2023年9月24日 横浜市緑区民文化センター みどりアートパークホール)
2023年9月24日(日)は、タンゴ映画 ”Pichuco” の上映会と、この映画の日本語字幕の制作に尽力されたバンドネオン奏者、小川紀美代さんのトークライブでした。場所は田園都市線長津田駅から徒歩4分の横浜市緑区民文化センター みどりアートパークホール。
第一部のは「ピチューコ」ことアニバル・トロイロのドキュメンタリー映画 ”Pichuco” の上映会。アニバル・トロイロはタンゴ史において最も重要な音楽家の一人で、タンゴの黄金時代にバンドネオン奏者、楽団指揮者、作曲家として活躍した人です。映画は、彼の楽団の手書きスコアをデジタル化する取り組みを追いつつ、彼にゆかりのあった多くの人の証言で彼の生涯と彼がタンゴにもたらしたものを振り返る、という内容。証言者には制作された2014年以降に亡くなった人も多く、興味深くかつ貴重な話を数多く聞くことができました。随所に挟まれる、証言者、トロイロ自身、現代の若手ミュージシャンによる演奏も素晴らしく、とても充実した内容でした。
第二部は小川紀美代さんによるトークライブ。バンドネオンソロによる演奏はタンゴの有名曲と小川さんのオリジナル曲でしたが、オリジナル曲の方が小川さんの演奏スタイルには合っているように感じられました。演奏の合間には、映画の制作チームとの出会いと交流、日本語字幕の制作に携わることになった経緯、現在進行しているフランスのミュージシャンとのライブツアーの準備のことなどが語られました。
一部、二部を通して楽しく充実した時間でした。もっとも映画については、予備知識ゼロで観るとちょっとわかりにくい内容ではあったかもしれません。登場する人物の名前は字幕で出るものの、それぞれがどういう人物なのかについては特に説明がないので、話している内容の意味が伝わりにくかったのではないかと思われるのです。上映前に10分程度でもレクチャーを行ったり、簡単な資料を配布したりするだけでも、観る人の理解度が上がって感動もより深くなったのではないかと思います。
ちなみに手前味噌ながら下記の記事も参考にしていただけると嬉しいです。
タンゴ映画上映会&バンドネオン・トークライブ
日時:2023年9月24日 (日) 13:00〜
主催:ヒラルディージョ
【第一部】タンゴ映画 ”Pichuco” 上映会
映画情報:
- 監督:Martín Turnes
- 配給:Puente Films
- 製作国:アルゼンチン
- 製作年:2014年
- 上映時間:81分
- 日本語字幕制作:小川紀美代
- 翻訳:牧野翔
- 字幕制作:豊崎竜信
【第二部】バンドネオン・トークライブ
曲目:
- El día que me quieras 想いの届く日 (Carlos Gardel. Alfredo Led Pera)
- 18 de mayo 5月18日 (小川紀美代)
- El choclo エル・チョクロ (Ángel Villordo)
- Libertango リベルタンゴ (Astor Piazzolla)
- Requiem レクイエム (小川紀美代)
- Ancient tree 古代の樹 (小川紀美代)
(アンコールがあったように思うのですが思い出せません。おわかりの方は教えていただけるとありがたいです。)f
演奏:小川紀美代 (bn)
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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