カニサレスと日本の名手たち (2025/01/09 ブルーノート東京)
はるか昔の1990年にパコ・デ・ルシア・トリオの来日公演でその姿を目にしたカニサレス。その後聴く機会を逃し続けていたものの、昨年 (2024年) ちょっとしたきっかけがあり、今回のカニサレスの来日公演はぜひとも行きたいと思っていた。しかしホールコンサートは日程が合わず断念し、情報収集のミスからブルーノート東京での公演は気づいたときには既に満席。それでもキャンセル狙いで予約ページを何度も確認していたら、公演5日前の1月4日夜にぽっかりと空きが出現!運よく予約することができた。そんなわけで行ってきた1月9日のファーストステージは、期待を大きく上回る素晴らしいものだった。
最初にカニサレスが一人で登場してソロを弾き、以後は日本人共演者が入れ替わりながら演奏。前半は比較的抑えた感じの曲調の作品が続いた。正直言って、最初からバリバリと弾きまくる姿を勝手に想像していたので少々肩透かし感はあったが、聴けば実に味わい深い曲と演奏が続く。カンタオール石塚隆允のFacebook投稿によれば、彼が参加した曲はマヌエル・デ・ファリャの「7つのスペイン民謡 Siete canciones populares españolas」とのことなので、他の曲もカニサレスがフラメンコと並んで取り組んでいるファリャ、グラナドスらのスペイン・クラシック作曲家の作品だったのだろうか。勝手に自分で想像したスペインの詩情のようなものに浸りながら聴いた。
中盤以降はフラメンコの世界へ。これはもう一言、素晴らしかった!沖仁、鈴木大介の二人のギタリストがカニサレスと渡り合うスリルと迫力、パーカッション、パルマ、バイレのサパテアードが重層的に創り出すリズム、カンテの胸に迫る歌声。聴いているこちらも曲が終わるたびに思わず叫び声を上げてしまう。頑張って席を確保して本当に良かった。
カニサレスと日本の名手たち CAÑIZARES y MAESTROS JAPONESES
日時:2025年1月9日 (木) 1st stage 18:00~
場所:ブルーノート東京
出演者:
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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