エル・タンゴ・ビーボ待望の2枚目のアルバム。 今回はヴァイオリンの近藤久美子を迎え (ゲスト扱いではない模様) トリオでの演奏となっている。 その近藤のヴァイオリンがとにかくよく歌い、 前作の渋みに対して華やかな雰囲気を作っている。
収録曲の中では、2「ガジョ・シエゴ」や3「エル・トリート」 7「フェリシア」9「エル・チョクロ」14「エル・ジョロン」 といった古典で、 リズムや対旋律の遊びがとても現代的でありながら古典の雰囲気を損っておらず、 熊田アレンジの面目躍如といったところであろう。
コンサートなどで聴いて個人的にとても気に入っていた 6「フリオ・デカロ・メドレー」が収録されているのも非常に嬉しい。 特にプグリエーセ楽団のバンドネオン・セクションの音が聴こえてきそうな 「マラ・フンタ (悪い仲間)」のピアノ・ソロから「ブエン・アミーゴ (良き友)」 に継がるあたり、ゾクゾクする。 11「タンゴの狂気」のまさに鬼気迫る演奏も強烈。
なお、4「マダム・イボンヌ」13「輝くばかり」は前作にもデュオで収められており、 今回のトリオ版と聴き比べるのも一興である。 また14「泣き虫」は小松亮太のアルバム「ラ・トランペーラ」に同じアレンジで収められているが、 そちらよりややテンポを落とし気味。
ボーナスとして収められた熊田作「ラ・カジェシータ」では近藤は参加していないが、 古いタンゴの雰囲気を持った佳曲である。
タイトル | EL ARRANQUE - エル・アランケ |
アーティスト | EL TANGO VIVO - エル・タンゴ・ビーボ |
メディア | CD |
録音 | 2001/4/22,26,27 |
リリース | 2001 |
レーベル | (自主制作) |
配給 | (自主制作) |
番号 | なし |
備考 | 入手についてはエル・タンゴ・ビーボのホームページ参照 |
No. | 曲名 | 曲名 (邦) | 作者 |
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1 | EL ARRANQUE | エル・アランケ (始動) | J. De Caro |
2 | GALLO CIEGO | ガジョ・シエゴ (盲の雄鷄) | A. Bardi |
3 | EL TORITO | エル・トリート (仔牛) | A. Villoldo |
4 | MADAME IVONNE | マダム・イボンヌ | E. Pereyra |
5 | SELECCION DE JULI DE CARO (EL MONITO - MALA JUNTA - BUEN AMIGO - TIERRA QUERIDA - COPCABANA - BOEDO) | フリオ・デカロ メドレー (子猿 - 悪い仲間 - 良き友 - 愛しの故郷 - コパカバーナ - ボエド) | J. De Caro |
6 | A LOS AMIGOS | 友に捧ぐ | A. Pontier |
7 | FELICIA | フェリシア | E. Saborido |
8 | CAMINITO | カミニート (小径) | J. D. D. Filiberto |
9 | EL CHOCLO | エル・チョクロ | A. Villoldo |
10 | CASERON DE TEJAS | 瓦屋根の家 | S. Piana |
11 | LOCURA TANGUERA | タンゴの狂気 | O. Ruggiero |
12 | SHUSHETA | シュシェータ (洒落者) | J. C. Cobian |
13 | PARA LUCIRSE | 輝くばかり | A. Piazzolla |
14 | EL LLORON | 泣き虫 | A. Radrizani |
15 | (bonus) LA CALLECITA (a "Jarqui") | (ボーナス) ラ・カジェシータ | 熊田洋 |