何を今さら、とお思いでしょうが、2001年の個人的なベストCDを紹介します。カレンダーはおろか、いわゆる「年度」においても完全に2002年に入ってしまいましたが、昨年後半はCD紹介をあまり書けなかったし、いくら遅くても書かないよりはマシ、ということでご容赦ください。
2001年に日本に紹介されたCDで、よしむら個人が気に入ったもの、よく聴いたもの、という至ってシンプルな基準で選定を行いましたが、ズボラな私が聴いた回数など統計を取ってあるはずもなく、結局は現時点で印象に残っているもの、ということになってしまいます。なお、ジャンルは限定せず、順位も特に付けません。
(BAM/EPSA、17162、アルゼンチン盤、2000年録音2001年リリース)
先ごろの来日公演も大好評だったオルケスタ・エル・アランケの2枚目のアルバム。躍動的な演奏と充実の編曲による「タコネアンド」やゴビの幻の作品「贖罪」など、とにかく聴き応え十分。
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なお、彼等は既に3枚目をリリースしている。これについては当ページでも近日中に紹介の予定。
(FOGON、CDFOG 507、アルゼンチン盤、1962年録音2001年復刻リリース)
近年とみに再評価の気運高まるエドゥアルド・ロビーラの1962年のアルバム。LP時代から既に入手困難な1枚だったそうで、まずは再発なったこと自体が大ニュースである。室内楽的編成によるバレエのための組曲で、後年のクールなロビーラとはまた違った熱い音が素晴らしい。
(FRESH SOUND / WORLD JAZZ、FSWJ 018、スペイン盤、2001年録音/リリース)
スペインで活躍するアルゼンチン人ジャズ・ピアニスト、エミリオ・ソラのピアソラに捧げる組曲。バンドネオン、弦を含むジャズ・コンボといった編成で、タンゴではなく明らかにジャズの世界の音である。極めてスリリングな展開が魅力的。純粋にタンゴが好きな人には受け入れられないかもしれないし、純粋にジャズが好きな人の目にはなかなか留まらないと思うのだが、いや、ホントにおもしろいよ。
(Megazoidal Records、番号なし、USA盤、2001年リリース)
ジャズ/ロック系ギタリストのアラン・ホールズワースの新作。シンタックスというギター・コントローラを多用した多重録音による作品で、有名な超絶技巧とは少し異なる内省的な世界が広がる。
(ART OF LIFE、AL1002-2、USA盤、2000年録音、2001年リリース)
ドラマーとして超一流であると同時にピアニストとしても素晴らしい才能を持つゲイリー・ハズバンドが、アラン・ホールズワースの楽曲をピアノ・ソロ(一部オーヴァーダビングあり)で録音したもの。元の曲のスタイルに捕われない自由な発想による編曲、演奏が面白く、かつ素晴らしい。
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(2002年4月7日作成)