「Tierra Querida」CD発売記念コンサート 〜 青木菜穂子 (2005年5月11日 南青山 Mandala)
レポートが10日以上も遅れてしまったが…。
ずいぶんと久しぶりにライブに行ってきた。演奏はピアニスト青木菜穂子の四重奏団。メンバーは会田桃子 (vn)、北村聡 (bn)、東谷健司 (cb) という強力布陣である。
青木さん自身の編曲による演奏は、スタイル的には中庸を行く現代タンゴ、といった感じ。奇をてらうことなく、原曲に比較的忠実なスタイルと言えよう。その上で、特に第二主題において、各人のソロをまじえつつ大きくふくらませる感覚が独特に感じられた。全体として力強さと繊細さを兼ね備えた非常に聴きごたえのある演奏であったと思う。
ゲストの歌手 Sayaca の歌も、さらりとしつつ深みのある表現が秀逸。
特に印象に残ったのは、第一部の終盤2曲「想い出」「パリのカナロ」。第二部最後の「秋のテーマ」も、会田、青木両人のソロが冴えわたり、素晴らしかった。
堂々たる演奏からはかなりギャップのある初々しい MC も魅力。客席からも「かわいい」との声がかかったり…。
ところで、青木さんの演奏を聴くのは本当に久しぶりである。過去の記録を調べてみたら、2001年2月に新宿のエル・パティオで会田さんとのトリオを聴いたのが最後だった。その後彼女は盛岡に移り、さらに2002年にはブエノスアイレスへ。ニコラス・レデスマらに師事する傍ら、オルケスタ・エスクエラ・デ・タンゴ (タンゴ学校オーケストラ、有望な若手ミュージシャンが多数参加している楽団) でピアニストをつとめるなど、多くの経験を積んできたそうである。
そんな彼女が2年半のブエノスアイレスの活動成果の集大成として CD「Tierra Querida」を録音して昨年末帰国。そのCDの国内発売 (Bishop Recodrs より)を記念して行われたのがこの日のライブだった (CD についてはまた日を改めて)。
今後は日本でもアクティブに演奏活動を展開してくれることと思う。また聴きに行くのが楽しみである。
- 「Tierra Querida」CD発売記念コンサート
- 2005年5月11日 東京・青山 南青山 MANDALA
- ピアノ: 青木菜穂子
- ヴァイオリン: 会田桃子
- バンドネオン: 北村聡
- コントラバス: 東谷健司
卓球好き、音楽好きです。飲み食い好きが高じて料理もします。2024年ソニーグループ(株)を退職し、同年より(株)fcuro勤務のAIエンジニアです。アルゼンチンタンゴ等の音楽について雑誌に文章を書いたりすることもあります。
なお、当然ながら本サイトでの私の発言は私個人の見解であります。所属組織の方針や見解とは関係ありません (一応お約束)。
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