東京ピアソラランドはヴァイオリンのChica、ピアノの黒田亜樹が中心となり、 ピアソラをはじめとするタンゴを演奏するライブ・シリーズ。 1999年の活発な活動から一転して2000年は今回一回きりであったが、 二人にChicaの率いる弦楽四重奏団O,K,Strings Quartet (以下OKSQ) を加えて充実の演奏が繰り広げられた。
第1部は仕掛け人二人によるパート。 ヴァイオリンとピアノのデュオでは、ミロンガ(「マノ・ブラーバ」「ノクトゥルナ」) のノリの良さが素晴らしい。 黒田のソロによる「アディオス・ノニーノ」、 Chicaの無伴奏ソロによる「ロス・マレアードス」も珠玉の名演。
第2部はOKSQによる演奏で、 OKSQの十八番の「イマヘネス」に続く「恋人もなく」の美しさは言葉を失うほど。 Chica作のワルツや「コラレーラ」のドライブ感も良く、 黒田を加えての五重奏ではロビーラ作の「コントラプンテアンド」が快挙!
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元フィッシュマンズのアディショナル・ヴァイオリニスト、HONZI のファースト・ソロ。 実際のところ私はフィッシュマンズのことは良く知らないが、 2000年8月に行なわれたRIKKIのライブでの演奏を聴いて以来気になっていた人である。 ノイズ系もあればポップな曲もあり、漂うようなヴォーカルとヴァイオリンが不思議な雰囲気。 「蘇州夜曲」が美しい!
同じく HONZI のセカンド・アルバムで、こちらはインディーズからのリリース。 基本路線は "ONE" と同様ながら、やはりバラエティーに富んでいて美しい。
ジャズ・ギタリスト、パット・メセニーのトリオによるライブ2枚組。 当然ながらいつものパット・メセニー・グループよりもギターを弾きまくっている。 元々ナチュラルな味わいの "Question And Answer" が溢れるインプロヴィゼーションで20分近い演奏になっていたり、 コルトレーンの "Giant Steps" が意外なアレンジだったり、と聴きどころ多し。 さらに何といっても "Faith Healer" のぶっ飛びまくりの演奏は凄すぎる。
オランダの実力派タンゴ・グループ、セステート・カンジェンゲの最新盤。 アレンジに色々なタンゴ楽団のスタイルを取り入れ、それぞれをうまく表現している。 オリジナル曲も秀逸。
トロイロ楽団のRCA全録音集の第4集。 1943年〜1944年の録音で、 「パブロ」「ラ・クンパルシータ」「チケ」などインストでの定番的名演を含む。 ピアノはゴニからホセ・バッソに交代。 歌手はフィオレンティーノとアルベルト・マリーノ。
同第5集。 1944年〜1945年の録音で、 有名な「バンドネオンの嘆き」を含むものの、インストはこれと「花火」の2曲のみ。 そのかわり歌曲は「花咲くオレンジの木」「杯と女友達とキス」など渋い名曲が多い。 歌手はフィオレンティーノが脱退し、マリーノとフロレアル・ルイス。
バンドネオン奏者ダニエル・ビネリのソロ作品。 バンドネオン・ソロ、ギターのウーゴ・ロメロとのデュオ、 ドラムスを加えたややフュージョン風の編成による演奏など、 バラエティーに富んだビネリの音楽性が楽しめる。 おすすめ!
こちらはビネリとギターのエドゥアルド・イサークのデュオ。 ビネリの個性が光り、二人のコンビネーションも絶妙。 ピアソラ作品をはじめとして聴き応えあり。
室内楽アンサンブルとサックスによるピアソラ作品集。 演奏は悪くない…んだけど、 何となく安っぽい雰囲気に感じるのはエコー処理などの録音のせいかな? ピアソラが1950年に書いたピアノと室内楽オーケストラとクラリネットのための "CONTEMPLACION Y DANZA" (冥想と舞曲) は珍しいレパートリー。
エルナン・バレンシアなる人物のオルケスタを中心に、 いくつかのタンゴのグループの演奏を集めたもの。 歌謡タンゴあり、モダンなものあり、復古調あり、で内容的にも玉石混交。 グスタボ・フェデルのオルケスタなどの演奏が聴けるのはうれしい。 アルバム後半にはなぜか歌曲のワンコーラス分 (テレビサイズ?) のカラオケが収められている。
1999年の小松亮太氏のスーパーノネットや、 その後のタンゴ・クリスタルの公演に参加のため何度も来日していているバンドネオン奏者ポーチョ・パルメルのバンドネオン・ソロによるアルバム。 アレンジのアイディア、豊かな音色が素晴らしい。
ウルグアイ出身でオランダ在住の女声歌手マベル・ゴンサレスによる、古い歌曲を中心としたアルバム。 ギター・アンサンブルを核とし、曲によってバンドネオン (アルフレド・マルクッチ) やピアノ、パーカッションを加えた伴奏が良い雰囲気。 マベル本人の歌はいわゆる上手いタイプではないが、 これも雰囲気は悪くない。 アフロ色の強いカンドンベ2曲が異色であり、面白い。 最後に収められた「ロコへのバラード」はちょっと苦しいか。
クラシック界のスーパー・ギタリスト二人によるデュオでさまざまなタンゴを。 我等が飯泉昌宏氏の編曲によるトラディショナルなタンゴ4曲は、 さすがの出来栄え。 現代音楽系の作曲家によるタンゴもなかなか面白い。 ピアソラの「タンゴ組曲」は、 アサド兄弟の圧倒的なスピード感とは一線を画す重厚な演奏。
2000年12月10日、日本タンゴ・アカデミーのタンゴ・セミナーにて 「最近出たタンゴのビデオとレコードから」 なるテーマでCD紹介をさせていただいた際にかけたもの。
うまいものに関しては、今回はここに書けるようなネタはなし。 書けないようなウマいものは…内緒。
本来ならきちっと年内に書き終えて、すっきり正月を迎えたかったのに、 なにやらバタバタしているうちに年を越してしまった。 ちょっと間が抜けてしまった感があるが、ご勘弁を。
私がネット上でタンゴなどの情報交換を始めるきっかけとなった、 @Niftyの「世界音楽フォーラム<FWM>」が 2000年いっぱいで終了となってしまった。 ここで多くの人と出会い、 いろいろなことを教えていただいたことを思うと寂しい限り。 もっとも私自身が会議室への書き込みをほとんどしていなかったので、 申し訳ない気持ちもある。 せめて終了までには何か一言、と思っているうちにあれよあれよと日が経って、 最後の最後も不義理をしてしまった。
そうこうしているうちに、よしむらのページも40,000アクセスを越えた。 いつもながら皆様のおかげです。どうもありがとうございます。
今年は、これまで欲張ってずいぶんと散らかってしまった感のあるコンテンツを整理し、 何とか見易いページにして行きたい。今後ともよろしく!
[2001年1月11日・記]
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作成: Jan 11, 2001
最終更新: Feb 06, 2001